専用アプリと連動した置き配バッグ「OKIPPA(オキッパ)」を開発するYper(イーパー)は2月6日、日本郵便と共同で実施した実証実験の結果を発表した。同実験はOKIPPAによる再配達削減の効果を検証するためのもので、約1ヶ月の実験期間中には再配達が最大で約61%削減されたという。
OKIPPAは不在時でも自宅の玄関前で荷物を受け取れる置き配用のバッグだ。手のひらサイズのバッグを玄関に吊るすだけで使える手軽さが特徴。玄関口に固定する専用ロックと内鍵がセットになっているほか、プレミアムプランとして置き配保険も提供している。
バッグと連動した専用アプリではAmazonやZOZOTOWNを始めとしたECサイトから出荷された商品の配送状況を一元管理することも可能だ。
今回Yperでは2018年12月3日から同月31日まで、東京都杉並区の1000世帯にOKIPPAを無料配布して再配達率への影響を調査した。参加者の住居形態は集合住宅が55.0%(550世帯 / 550物件)、戸建が45.0%(450世帯)。全体の約70%が30代〜40代で、その半数が共働き世帯だ。
Yperによると1ヶ月の間にアンケート集計ベースで約6000個の宅配物が配送され、参加者の不在率は51%だったとのこと。今回の実験ではこの51%に当たる約3000個の宅配物を潜在再配達個数とし、その内OKIPPAを活用することで受け取ることができた荷物(OKIPPA受取個数)が占める割合を「再配達削減率」として算出している。
週ごとの結果では最大で再配達率を61%削減。トータルではOKIPPAを通じて1744個の荷物を受け取ったことになり、約57%の削減に繋がった。
残りの約40%ほどは、主に宅配ボックス預入不可の食料品や大型の荷物が原因とのこと。なお期間中にはいたずらや盗難などの問題は発生しなかったという。
今回実証実験に参加したユーザーの不在率は、国交省が発表している都内の再配達率(16.4%)と比較してもかなり高い数字だ。参加者の特徴として週に1回以上ECサイトを利用する通販のヘビーユーザーが多く、彼ら彼女らは一般の消費者に比べて年間で3~4倍ほど荷物を受け取る機会が多い。
そういったユーザーがOKIPPAを通じて置き配を使えるようになったことで、再配達率の削減にも大きく影響していると言えそうだ。
Yperではつい先日OKIPPAの累計販売数が6000個を突破したことを明かしていたが、今年1年間で100万個の設置を目指す方針。「100万個のOKIPPAの設置によって、短期間で国内の再配達率を現状の半分以下に削減できると予測している」という。