消費者はオンデマンドでの迅速な配送を当然のことと期待するようになってきた。こういうトレンドを踏まえて、スタートアップのDispatchは歩道や自転車道が走れる自動運転のミニ配送車を開発中だ。昨日(米国時間4/6)、Dispatchは、 Andreessen Horowitz(Chris Dixon)がリードし、Precursor Ventures(Charles Hudson)他が参加したラウンドで200万ドルのシード資金を調達したことを発表した。
Dispatchの共同ファウンダー、Uriah Baalkeは私の取材に対して「使い勝手がよく低価格の配送システムに対するニーズは非常に高い。われわれのゴールはこのニーズに応えてスケール可能なシステムを開発することだ。われわれのシステムはあらゆる場所で効果的に作動できる必要がある」と語った。
Carryと名付けられたDispatchの最初の配送車は最高100ポンド(45キロ)までの荷物を搭載できるコンパートメントを内蔵している。Carryは歩道や自転車道を歩行者程度のスピードで移動できる。またソフトウェアは1回の行程で複数の配送が実行できることを目指している。またCarryはかなり重量があり、大人2人がかりでなければ持ち上げられない。つまり簡単に盗むことはできない。またCarryは4G網に接続しており、常に正確な位置が把握できる。
数週間前にDispatchはMenlo大学とカリフォルニア州立大学モンテレー・ベイ校で学生に郵便や小包などを届ける実験を開始した。学生にはCarryの位置が通知され、荷物などが配送されることが知らされるようになっている。Carryが到着すると学生はスマートフォンを使ってコンパートメントを開き、自分宛ての荷物を取り出せる。
Carryにはセンサーと人工知能が組み込まれ、周囲の人間にとって安全快適な行動方法を学ぶことができる。学習が進むにつれてCarryはより複雑な環境に対応する行動が可能になる。近い将来、Dispatchは新しい場所で実験を開始する。最終的な目標は主要な大都市での配送の実現だ。新たに得られた資金はプロダクトの開発と専門の人材の採用に充てられる。
多くのeコマースにとって(最後の1マイル」と呼ばれる戸別の配送はコストの点から大きな問題となっている。スタートアップが新しいプロダクトを開発してももともと薄いマージンが配送の費用によってさらに削られ、ビジネスとして成立しなくなることも多い。オンデマンドの契約で人間の配送員を利用することには法的に疑念が生じる(カリフォルニア州では実際、大規模な集団訴訟が起きている)。こうした場合に有効な解決策になることがDispatchの目標だ。
Baalkeによれば、「Dispatchがプラットフォームとなるレベルまで普及すれば、誰もが〔自動運転のミニ配送車の存在を〕当然のことと思うようになる。またDispatchのテクノロジーを利用すれば、eコマース企業ばかりでなく、個人間の荷物配送にも利用できる」という。
サウス・サンフランシスコに本拠を置くDispatchは9ヶ月前からテストを繰り返している。現在、同社はきわめて小規模のスタートアップで、Baalkeに加えてStav
BraunとSonia Jinという3人の共同ファウンダーの他には常勤の社員はまだ1人しかいない。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)