自動運転シャトルバスの仏Navyaが3400万ドルを調達、バリュエーションは2億ドル超との噂

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自動運転車といえば、自家用車の発展に関する話が中心となるが、実はシャトルバスのようなカテゴリーでも大きな進化が起きている。

最新のニュースによれば、ドライバーレスのシャトルバスを製造するフランスのスタートアップ・Navyaが、人員・テクノロジー・営業力を増強するために3400万ドル(3000万ユーロ)を調達した。公共交通運営企業のKeolisおよび自動車パーツを製造するValeoグループという2社の戦略的投資家のほか、カタールの投資会社Group8も今回のラウンドに参加した。

Navyaはバリュエーションを公開していないが、Funderbeamのレポートによれば、本ラウンド後の額は2億2200万ドルに達するという。これまでにNavyaは、仏投資会社のGravitationやCapDecisif、Robolution Capital(ロボット関連企業専門の投資ファンド)から450万ドル(410万ユーロ)を調達していた。

Navyaは10年かけてフラッグシップ機・Armaの開発を行い、2015年10月にようやく同製品はローンチされた。Armaは完全電動・無人で、最大15人の乗客を乗せて最高時速45km(時速28マイル)で走行することができる。既に政府の交通プロジェクトのもとでArmaはリヨン市内の路上を走行しており、その他にも名前の明かされていない戦略的契約が複数結ばれている。さらにNavyaは、Group8とのパートナーシップを通じて、中東向けにもArmaを製造していく予定だ。

地方行政機関や、A地点からB地点に移動するのに交通手段が必要になるほど大きな敷地を有する企業のニーズを満たし、Navyaは今年中に30台の自動運転車を顧客のもとへ届けようとしている。

これが実現すれば、Navyaは自動運転シャトルバス市場で躍進を遂げるであろう一方、他のプレイヤーも同じゴールにむけて動きを加速させている。

今年の夏、Local Motors製のミニバスOlliにWatsonが採用され、IBMは自動運転車の世界にはじめてその足を踏み入れた。メルセデス・ベンツ製の自動運転バスも、12マイルを走りきってマイルストーンを達成した。ロシアの検索サービス大手で、最近はモバイルや機械学習分野へのリポジショニングを図っているYandexでさえ、シャトルバスの開発を行っている。

どうやら競争の激化をひとつの理由としてNavyaは資金調達を行ったようだ。しかも普通の投資ではなく、同社の成長を支えてくれるような戦略的パートナーからの投資だ。

「徐々に競争が激化している市場で成長を持続させるため、戦略的提携という道を選びました。今回の提携を通じて大手交通会社のリソースを利用することで、コストを抑えて競争力を保つことができると同時に、私たちの自動運転ソリューションであるNavya Armaを、効率的に世界各地へ流通させることができます」とNavya社長のChristophe Sapetは声明の中で語った。

「販売台数が一定のラインを越えれば、インテリジェントな自動運転車を整備したいと考えている街や企業が支払うコストが下がり、Navyaの成長スピードが上がります」

今回のラウンドに参加した投資家の中には、自動運転の分野で実績を持つ企業も含まれている。

Keolisは地方自治体と契約して交通システムの建設を行っているが、今後は同じ顧客からもっと持続可能で効率的な移動手段を求める声が挙がるだろう。そしてValeoは製造面だけでなく、実用面でもKeolisをサポートすることができる。というのも同社は、最近カリフォルニアでの自動運転車テストの許可を得たところなのだ。

こちらのビデオで実際にArmaが動く様子を見ることができる。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

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TechCrunch Japan

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