若年層向けアンケートアプリ「TesTee(テスティー)」を使ったリサーチサービスを運営するテスティーは、1月23日、画像解析メニューの提供を開始した。この画像解析メニューにより、ユーザーのスクリーンショットを使い、特定アプリのホーム画面上の配置や、ログイン状況、アンインストール動向といったアプリ利用動向の調査が可能になるという。
若年層ユーザー中心、スマホ特化のアンケートアプリ
TesTeeは10〜20代の若年層がユーザーの77%を占めるアンケートアプリ。ユーザーはタップ操作で選択肢を選んだり、チャット型のインターフェースで選択肢(フリーテキスト含む)を選んだりしてアンケートに回答する。回答完了でポイントが獲得でき、貯まったポイントはLINEギフトやAmazonギフト券などと交換可能だ。
テスティー代表取締役の横江優希氏は、ネットリサーチ大手のマクロミル出身。2000年前後に拡大しはじめ、2015年度には600億円市場へと成長したネットリサーチ市場について「スマホへの移行がしづらいという課題がある」と話す。
「iPhoneの普及などにより、2012年から2013年ごろにはインターネットアクセスの中心はスマホへ移行してきている。一方、従来のPCでリサーチを行ってきたサービスでは『調査のインターフェースが変わり、データの取り方が変わることがノイズとなる』として、スマホへの移行はクライアントから嫌われる。このためサービスのスマホへの移行ができず、結果として回答するユーザー、特に若年層のユーザーを減らす状況となっている」(横江氏)
横江氏はスマホアプリの開発会社を起業したのち、2014年5月にテスティーを設立。スマホでの調査に特化したサービスとして2015年7月にTesTeeをリリースした。リリースから1年6カ月後の現在、登録ユーザー数は約48万人。DAU(1日のアクティブユーザー数)は4万人、MAU(月間アクティブユーザー数)は11万〜12万人を数えるそうだ。「スマホのアンケートアプリでは一番利用されている。また若年層を取り込めている点も特長だ」(横江氏)
TesTeeによるリサーチを利用するクライアントは、自身で調査設計を行い、管理画面で調査結果をダウンロードするため、リサーチャーによるレポーティングが行われる既存のネットリサーチと比べると、2分の1〜3分の1程度の費用でリサーチを実施することができる。ユーザーが若年層中心ということで、美容系や菓子、飲料メーカー、通信キャリアなどの企業の利用が多く、月に40〜50社、80〜100件の利用があるという。
今回登場した画像解析メニューは、自社開発の画像認識エンジンを使ったもの。TesTee登録ユーザーの属性情報や位置情報とあわせて分析することで、ユーザー動向がより分かるようになると横江氏は言う。「これまで広告のクリック状況や検索エンジンを通してしかつかめなかったユーザー動向が、モバイルを中心にしたネットリサーチと画像解析によって、よりユーザーにひもづいた情報としてリーチできるようになる。こうした技術を使った、アドテク企業やデータマネジメント企業との連携も進めている」(横江氏)
ホーム画面の画像解析による、トップアプリランキング
テスティーでは今回の画像解析メニューの提供開始に先立ち、2016年12月に自主調査でTesTeeユーザーのスマホ画面の画像解析を行っている。1234人のiPhoneユーザーを対象にホーム画面トップのスクリーンショットを収集し、画像解析したこの調査では、アプリ全体ではユーザーの約58%がホーム画面に設置していた「LINE」が1位に。そのほか、SNSでは「Instagram」が、ゲームでは「ポケモンGO」がホーム画面設置アプリの上位にランキングされた。
「自主調査は今後も月1回は実施していく。“ニュース”“飲食”などフォルダにまとめられやすいアプリのインストール状況の調査追加や、ホーム画面から2画面目以降へ移動したアプリは何かといった継続調査も行う予定だ」(横江氏)