若者向けメディアのViceが4億5000万ドル調達――上場も近い

Vice Mediaが未公開株式投資会社、TPGから4億5000万ドルの資金を調達した。投資後の会社評価額は57億ドル前後だったもよう。

Viceの共同ファウンダー、CEOのShane Smithは今日(米国時間6/19)、CNBCに出演してこの資金調達と上場を含む将来計画について質問に答えた。

いつもどおり謎めいた発言が多かったものの、Smithは資金調達について「仮にわれわれが上場を目指すとしているなら…ホッケースティック型の急成長を維持してそれに見合う売上を得る〔必要があるだろう〕」と述べた。

Smithはまた「最近の上場(特にSnapの場合)を見ると、高い売り出し価格を得るためにはそれを裏づける売上をベースにしたストーリーが必要だとわかる」と強調した。その上で、今回の資金調達はViceが対前年比ベースでさらに急成長を続けるために必要だったと認めた。

同社は特にVice Studiosを立ち上げるための資金を必要としている。このサービスはスクリプトが用意されたマルチスクリーンの番組を提供し、既存のニュースやドキュメンタリー番組を補完するものだ。Viceの既存の13のチャンネルにはVICELANDや人気のドキュメンタリー、VICE on HBOなどが含まれる。

Viceは調達した資金をOTT(高速な動画配信)ネットワークや熱心なファン向けのサブスクリプション契約の構築にも充てるという。 2018年の第1四半期までに80カ国でコンテンツを配信できるようにすることを目指している。

Smithは「われわれの現在の目標はミレニアル世代向けの世界最大のビデオライブラリーを構築することだ」と説明した。これに成功すれば他のメディアはそうしたコンテンツを配信しようとすればViceにライセンス料を支払わねければならない。〔Viceのプレスリリースは原文参照〕

WSJによれば、 既存の株主であるDisneyは今回のラウンドには参加していない。Disneyの4億ドル、18%の株式持ち分は新しい資金調達で希釈されたことになる。

〔日本版〕日本版Vicedではドキュメンタリーを中心とした記事が提供されている。動画ではAbema TVで6/23(金)に台灣黑社會を放映予定。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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