Uberドライバーの利益を守るための組合が、明日24時間のストライキを呼びかけている。
配車サービス大手Uberは、労働者としてこのプラットフォームを使って運転する人のことを快く思っていないかもしれないが、2016年、英国の労働裁判所は法的な問題に直面したのち、現・前ドライバーのグループを独立契約者として分類することに反対すると、裁定した;2017年Uberが労働裁判所に初めて控訴した時にも再びそのような裁定をしている。
しかしながらUberの控訴は続いている。
いわゆる“gig economy”プラットフォームで働いている個人を代表してキャンペーンを行う組合の一つ、独立系労組IWGBは今日、Uberドライバーによるストライキを発表した。
Uberドライバーは不当な非アクティベーション(労組は“事実上の解雇”と表現している)をなくすこと;1マイルあたり2英ポンドへの料金の増額(ロンドンでの最近のレートは1マイルあたり1.25英ポンド);ドライバーからUberに支払われる手数料の10%減額;そして労働裁判所の判断と“ドライバーの労働の権利の尊重、最低賃金の支払い、有給休暇を含む労働条件”の適用を求めている。
労組は、英国の法律ではUberドライバーは、Uberが主張する独立契約者としてではなく縁辺労働者と分類されるべきだと主張している。
そしてUberユーザーに対しストライキを尊重し、明日はアプリを使わないよう呼びかけている。
IWGBの個人ハイヤードライバー部門の委員長はJames Farrarで、彼は2016年にUberに対して労働裁判を起こした前Uberドライバーだ。
声明でのコメントで彼は「手取り給料の目減りや、労働者をいじめるマネジメントの増加を何年にもわたってみてきて、労働者はストライキを起こすことを余儀なくされた。我々は社会に、ストライキ中にアプリを使わないことでデジタルのピケラインを超えず、どうかドライバーをサポートして、とお願いしたい」としている。
24時間ストライキは10月9日の午後1時からロンドン、バーミンガム、ノッティンガムで行われる予定だ。
IWGBは、ストライキに参加するドライバーがストライキ開始時に3都市にあるUberのオフィスの外で抗議を行うと言っている。
これに対し、Uberの広報がTechCrunchに対し電子メールで送ってきた声明は以下の通りだ。
「我々は常に、ドライバーにとって可能な限り最も良い乗車体験となるよう、そしてアプリを使って運転時間を最大限活用できるよう改善を図っている。だからこそ我々は過去数カ月、いくつもの新機能を加えた。これには、疾病、怪我、妊娠、パタニティの保護が含まれる。先月の学術調査では、ロンドンのドライバーは1時間あたり11英ポンドを稼いでいて、これは全コストやUberのサービスチャージを引いた後の額だ。我々は引き続きドライバーの収入が増える策を模索する。もし、現在抱える問題について我々に訴えたいのなら、ドアはいつでも開かれている」。
Uberの広報はまた、疾病や怪我、妊娠、パタニティの支払いを含むドライバーに対してUberがヨーロッパ中で提供している無料保険の拡大を含め、労働裁判所の裁定後に英国で行なった数々の変更点を強調した。
そして、これまでに変更を加えた数も指摘している。その変更には有料の待ち時間やアプリ内でのチップ、年金や無料講習といったお得な商品の割引などが含まれる。
広報はまた、Uberが最近立ち上げたドライバーがリアルタイムに収入を把握できるアプリや、ドライバーの収入増をサポートするためのデータ分析へのアクセス、ドライバーと乗客のための24時間電話サポート(これは実際にはロンドン交通規定の必須要項だ)もアピールしている。
Uberは事業展開する全ての都市で、ドライバーのフィードバックに耳を傾け、いかに対応するかの体制を正式に整えた、と言っているーたとえそうでも、ストライキを回避できるほど十分ではなかった。
Uberが強調する変更点は、Uberドライバーの置かれた状況を改善するという意味では前向きな取り組みかもしれないが、英国の裁判所がドライバーは労働者と認定されるべきとの見解を示せば、Uberは欧州で事業を継続するためにかなりの額を払わなければならないことになるだろう。
Uberは以前、もし最大5万人となる英国のプラットフォームを使っている‘自営’Uberドライバーに労働者の権利を適用したら、事業費は何千万英ポンドとなるかもしれない、と言っている。
裁判所判断に対するUberの見解は10月30日、31日に示される。
イメージクレジット: Carl Court
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(翻訳:Mizoguchi)