ムスカは3月7日、新たに経営陣に加わった2名を発表した。取締役/暫定COOとして元三井物産の安藤正英氏が1月30日付けで就任、取締役就任候補者として元ゴールドマン・サックス証券のパートナーだった小高功嗣氏を招聘した。小高氏は、3月開催の株主総会で選任予定。両名が経営陣に加わることで、グローバル展開における事業戦略と大型資金調達を加速させるとのこと。
同社は、福岡県を拠点とする2016年設立のスタートアップ(研究拠点は宮崎県児湯郡都農町)。旧ソ連の研究を買い取って引き継ぎ、45年超1100世代におよぶ選別交配を重ねたイエバエを使って、生ゴミや糞尿などの有機廃棄物を約1週間で肥料・飼料化するテクノロジーを有する。2018年11月にTechCrunch Japanが開催したTechCrunch Tokyo 2018の「スタートアップバトル」で、エントリーした100社超の頂点である最優秀賞に輝いた企業でもある。
取締役/暫定COOの安藤氏は、三井物産で事業会社経営、事業戦略、プロジェクトマネージメントなどに関わり、ファイナンス、M&A、営業、人事総務などの実務にも従事した経験のある人物。その後、アナダルコペトロ リアム社でモザンビーク天然ガス開発プロジェクトのファイナンス部門統括マネージング・ ディレクターに就任。文科省主導の官民協働プロジェクトを経て、2018年11月29日にムスカに入社した。マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院にて経営学修士(MBA)を取得している。
小高氏は、1987年に弁護士となり佐藤・津田法律事務所に入所。1990年8月、ゴールドマン・サッ クス証券会社に入社し、1998年11月にマネージング・ディレクターに就任。そして、2006年11月にパートナーに。2009年11月に西村あさひ法律事務所に入所した後、2011年に小高功嗣法律事務所を開業した。現在、LINE社外取締役、Apollo Management Japan代表、ケネディクス社外取締役、FiNC Technologies社外取締役、FUNDBOOK社外取締役を兼任している。シカゴ大学ロー・スクール修士を取得。
3月1日に丸紅との提携を発表したばかりのムスカだが、今後も国内外の企業との戦略的パートナーシップの提携を進めていくという。今回、海外事業や大型の資金調達を手がけた経験のある人材が経営陣に加わることで、ムスカの世界戦略に向けたスピードが加速するのは間違いないだろう。なお同社は、2019年中にPoC(Proof of Concept、概念検証実験)ラボ、そしてパイロットプラントの建設を予定している。