複数のデータベースの統一クェリインタフェイスを提供するPrismaが$4.5Mのシードを獲得

ベルリンとサンフランシスコに拠を置くPrismaは、データクェリ言語GraphQLに大きく賭けている。それは最初Facebookが、アプリケーションのサーバーと対話するフロントエンドのコードを容易に書けるようにするために開発したシステムだ。それ専門で行こうと決めたPrismaはこのほど、450万ドルのシード資金を獲得した。

シリコンバレーのKleiner Perkinsがそのラウンドをリードし、多くのエンジェル投資家たちが参加した(後述)。その多くはデベロッパーやオープンソースの世界の人びとで、GraphQLそのものを作ったNick Schrockもその中に含まれる。

本誌TechCrunchが、KleinerがPrisma(元Graphcool)への投資を検討していることを知ったのは3月だった。そのときはまだ、契約は完結していなかった。昨日(米国時間5/14)になってPrismaの協同ファウンダーでCEOのJohannes Schicklingが投資を確認し、オープンソースをよく理解しているヨーロッパのVCよりもアメリカウェストコーストのVCと投資家を選んだ、と説明した。そして彼は、より広いデベロッパーコミュニティに製品が採用されるためには、ユーザーベースの拡大も資金調達もボトムアップ方式が重要だ、と述べた。

そのためにPrismaも、最初のより狭いBackend-as-a-Service(BaaS)のモデルからオープンソースに転向し、中核的製品として“Prisma 1.0”を世に問うた。それは、Apache 2のオープンソースライセンスに基づくスタンドアロンのインフラストラクチャコンポーネントとしてリリースされた。

同社の主力製品/サービスは、すべてのデータベースにGraphQLのデータレイヤを導入することだ。そのベースとなる基本認識は、現代のバックエンドが、Postgres, Elasticsearch, Redis, Neo4jなどなど、機能が専門化された複数のデータベースの組み合わせならびに相互接続であることだ。この構造はそれらのデータベースに対する複雑な“マッピングロジック”を必要とし、それは、Prismaのような専門サービスを必要とする難題になる。Prismaは、それら多様なデータベースの集合に、GraphQLの単一のクェリでアクセスできるようにしてくれる。

Schicklingによると、今回の資金はチームの増員に充てられる。今のベルリンに加えて、サンフランシスコにオフィスを開く。プロダクトのロードマップとしては、サポートするデータベースをもっと増やす。現在のPrismaはMySQLとPostgresに接続するが、今後はMongoDB, Elastic, Cassandraなども加えていきたい。

現状では、従来からのオープンソース製品に加えて、セキュリティを強化したPrisma Enterprise(コンプライアンス、アクセスコントロール、オーディットロギングなど)と、コラボレーションでデータベース管理を容易にするPrisma Cloudがある。

さきほど名前を挙げなかったPrismaのシード投資家は、Robin Vasan(HashiCorp, Couchbase, InfluxDataの取締役), John Komkov(Fathom Capital), Augusto Marietti(KongのCEO), Guillermo Rauch(ZeitのCEO), Spencer Kimball(CockroachDBのCEO), Nicholas Dessaigne(AlgoliaのCEO)などだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

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