多くの人は旅行する際、ガイドブックやウェブサイトで観光スポットを探すだろうが、地元の人が楽しんでいる「穴場スポット」を知ることはなかなか難しい。日本を観光する外国人旅行客にとっては言葉の壁もあり、ガイドブックに載っていない観光スポットを知るのは更に難しいだろう。本日正式ローンチした「LEVART」は、そのような穴場スポットを海外へと発信し、日本の観光資源を最大限活かしたい考えだ。また、LEVARTは外国人観光客が日本を観光する際に困ったことなどを地元の人に依頼できるプラットフォームの側面を併せ持っている。
LEVARTのページを見ると、地元の人が選んだ穴場スポットが多数掲載されている。金閣寺、伏見稲荷大社など有名な観光スポットから、ふくろうカフェや福岡のもつ鍋屋など日本のカルチャーを楽しめるスポットまである。これらの観光スポットは東京、福岡、北海道といった場所別の検索と「寿司」や「アニメ」といったカテゴリー別の検索が可能だ。ただ、これだけなら他のニッチな観光情報を提供しているサイトなどとそう変わらないかもしれない。LEVARTの特長は、クラウドサービスのように観光客が観光やチケット予約など観光に関連した要望をそれに対応可能な地元の人に依頼できる点だ。LEVARTは今年の2月15日からベータ版をリリースしているが、これまで「5000円で消防署への案内をお願いしたい」や「3500円で三鷹の森ジブリ美術館のチケットを予約してほしい」などの依頼があったとLEVARTを運営するビースポークの代表取締役、綱川明美氏は話す。旅行者が価格を自由に設定し、それを見て地元の人が依頼に応える仕組みだという。来月にも決済機能をサービス内に実装する予定と綱川氏は言う。
ビースポークは2015年末に創業し、これまでに個人投資家から2000万円を調達したと綱川氏は説明する。現在LEVARTは8名のチームで運営していて、これまでに約50カ国の外国人ユーザーがLEVARTを利用したそうだ。年内にはネイティブアプリの開発や多言語化を進め、ゆくゆくは地方自治体や地元企業と連携して旅行者にローカルな体験を提供できるようにしたい考えだ。