証券ビジネスをプラットフォーム化するFinatextがKDDIなどから60億円を調達

金融サービス開発やビッグデータ解析、証券サービス提供を行うFinTechスタートアップのFinatextが7月30日、KDDIジャフコ未来創生ファンドを引受先とした総額60億円の資金調達を実施したことが明らかになった。

Finatextは今年1月に子会社スマートプラスを通して証券業に参入することを発表。委託手数料0円のコミュニティ型株取引アプリ「STREAM」を提供している。またブローカレッジ、証券取引の執行機能をプラットフォーム化する「BaaS(Brokerage as a Service)」という考え方に基づき、証券ビジネスを効率化し、多様な証券サービスを低コスト・短期間で構築できる環境を展開している。

今回調達した資金はスマートプラスの財務基盤強化に充てられる。顧客のニーズに合わせたさまざまな証券サービスを提携パートナーと協力して提供し、5年以内に「ミレニアル世代向け証券会社No.1」となることを目指すという。

またFinatextは増資を機にKDDIと業務提携契約も締結。Finatextの持つUI/UXデザインやサービス構築力を生かし、「au WALLET」をはじめとしたKDDIグループ企業の金融・決済分野を中心に、スマートフォンアプリを通じてユーザーごとにあったライフデザイン提案を行う予定だ。

また、KDDIが持つ3900万人超の顧客基盤や豊富なデータ、KDDI子会社ARISE analyticsが持つデータ利活用ノウハウと、FinatextのAI/ビッグデータ解析技術を掛け合わせ、FinTech領域で新たな事業を生み出すことも検討していくという。

Finatextは2013年12月創業。2017年5月にジャフコから14億2500万円の資金調達を実施している。

同社は株式市場の予想アプリ「あすかぶ!」や仮想通貨を使ったFXの予想アプリ「かるFX」といったコンシューマー向けの投資アプリを手がけてきた。また、2016年4月からは日本アイ・ビー・エムと共同でロボアドバイザーのエンジンを金融機関に提供するビジネスも行う。

2016年8月にはナウキャストを買収し、機関投資家向けビッグデータ解析サービスを展開。2018年から子会社スマートプラスで証券業、証券ビジネスプラットフォーム事業を行っている。

TechCrunch Japanでは今回の資金調達について、Finatext代表取締役の林良太氏に取材を行い、調達の意図や今後の事業展開などについて詳しい話を聞く予定だ。

投稿者:

TechCrunch Japan

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