タクシーの配車サービスを提供するスタートアップLyftは、日本のEコマースの大企業、楽天を筆頭に、5億3000万ドルの資金調達を行ったとTechCrunchに情報が入った。新たな資金調達は明日報告(既に公開済み)される予定だ。これによりLyftは、創業当初から8億5000万ドルを調達したことになり、その評価額は25億ドルとなった。
楽天はシリーズEラウンドにおいて3億ドルを出資し、Lyftの11.9%分を保有することとなる。他の出資者については明かされていないが、以前からLyftに投資している企業には、Coatue Management、Alibaba、Daniel LoebのThird Point、Andreessen Horowitz、Founders Fund、 Mayfield Venturesが名を連ねる。
1ヶ月前に聞かれていた予定調達額 の2倍の金額を今回調達し、評価額も言われていたより高額であった。この金額は、交通手段を提供するグローバル企業としてブランドを確立することを目指すLyftの野望と共に、投資家のこの企業への高い関心を表している。
現在Lyftはアメリカ国内でしかサービスを展開していないが、楽天のようなストラテジックインベスターと組むことで国内、そして海外での新しい市場開拓を進めるのに有利に働くことだろう。
最大のライバルであるUberと競うのにLyftは彼らの力が必要だ。Uberは2010年に創業してから社債と株式で50億ドルを調達し、現在の評価額は400億ドルだ。Lyftは60の地域でサービスを展開しているが、Uberは250以上の地域で運営している。
拡大路線の準備としてLyftは主要役員の雇用を行い、またブランド戦略における立ち位置を再定義する。雇用に関しては、CFOにBrian Robertsを、CMOにKira Wamplerを据え、開発、デザイン、パートナーシップの各部門にも役員を据える。
新しいユーザーを獲得する為にブランド戦略を見直した。例えば、今まで運転手はLyftの目印として分厚くてモコモコしたヒゲを車の前方に取り付けていた。これを持ち運びしやすく、利用者がLyftの車に搭乗することが分かりやすくする為に「光るヒゲ」に変更するそうだ。また、彼らは以前から薦めていた慣習のいくつかを廃止するそうだ。例えば、カジュアルな挨拶として利用者と拳を合わせることや利用者に助手席を薦めるといったことだ。いずれの施策も幅広いユーザーを取り込むことが狙いだ。
Lyftは、新規のユーザー獲得と共に、運転手の雇用でもUberと張り合うことになる。Lyftはそれを受け、運転手への報酬をいくつか追加した。例えば、車にかかる費用を割引く制度や運転手に健康管理やエンターテイメント等の福利厚生を提供するといったことだ。Lyftの運転手として働くことに魅力を持たせるための施策である。
Lyftの道は容易いものではないだろう。既に開拓した市場では利益を上げていると彼らは報告しているが、市場を新しく開拓するには多額の費用がかかり、真のグローバル企業に成長する為には資金は集められるだけ集める必要があるだろう。
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(翻訳:Nozomi Okuma / facebook)