話者の感情を判断する音声認識技術でBeyond Verbalが$2.8Mのシード資金を獲得

2011年にiPhone 4SがSiriを導入して以来、音声認識という前からある技術が、急に消費者たちの人気のマトになった。でもその前から、そしてとりわけそれ以後は、スマートフォンやタブレットやコンピュータや電話サービスなどなどの分野で、さまざまな改良型音声認識技術の開発が咲き乱れた。今回ご紹介するイスラエルのBeyond Verbalは、それらの中でもとくに、言葉を認識するだけでなく、声に込められている感情を認識する技術を開発したと主張している。何を言ってるかだけでなく、どんな気持で言っているのかを認識する、というのだ。その同社が今日(米国時間5/8)、新人VC Genesis Angelsのリードにより、280万ドルの資金調達ラウンドを、同社の初めての外部資金調達として完了した、と発表した。資金は、同社が特許をもつその技術の、商用化に充てられる。

この投資の一環として、Genesis Angelsの協同ファウンダで投資家のKenges Rakishevが、取締役会に加わる。

Beyond Verbalはその技術を、API利用のライセンスとして提供する。感情検出技術の応用分野はいろいろ考えられるが、すぐ思いつくところとしては、カスタマサービスやゲーム、デートサービスなどだ(彼/彼女が本当に自分に気があるのか分かる?!)。もちろん、Siriのようなパーソナルアシスタントにも利用できる。

音声認識は顧客向けのサービスと思いがちだが、顧客にサービスを提供する当事者、たとえばカスタマサービスのスタッフたちが、自分のサービスの質を向上させるためにも利用できる。“応対している自分が今にもキレそうになっていることを判断できる。また、プロフェッショナルな営業トークではなくなりつつあることも判定できる”、とCEOのYuval Morは言う。むしろBeyond Verbalのサービスは、既存の音声認識サービスの多くが片手落ちであることを、あらためて認識させてくれるのだ:

“重要なのは、何を言ったかだけでなく、それをどのように言ったかだ”、とMorは言う。

Beyond Verbalはまた、分析や診断を提供して、ユーザのアプリケーションが拾う感情の追跡や統計化などを助けている。ユーザ企業の名前はまだ発表していないが、CEOのYuval Morによると数週間後には最初の顧客が確定するそうだ。

音声認識というとNuanceやTrue Knowledgeの名が思い浮かぶが(後者のEviは本誌が先月取りあげたが、Amazonが秘かに買収したらしい)、これらの企業のプロダクトは、ハンドセット上で、自然言語からそれが言っているコマンドを取り出す。一方Beyond Verbalは、音声認識ソフトウェアが今後はますます人間くさくなる、という別のトレンドに属している。

同様のソフトウェアはAffectivaも開発している。このMITのMedia Lab出身の企業のソフトは、高度な顔認識により感情を検出する。

Beyond Verbalの場合、Morによると、声の音域の変化を検出するアルゴリズムにより、怒り、不安、幸福感、満足などを見分ける。それに伴い、気分や態度、意思決定の性質なども判定する。“この三つを理解することが感情を理解することだ”、とMorは言う。

音声認識システムは、Google GlassにしてもIVR方式のカスタマサービス(自動応答)にしても、それほど精度は高くない。Beyond Verbalを使っていちばん多く見つかる感情は、このことに対する不満かもしれない。

声から感情を検出するシステムはBeyond Verbalが初めてではないが、でも同社は、今市場にあるものとは違う、と主張する。たとえばNiceは、話者の言葉や単語の選択と、声の大きさから、感情を判定する。しかし、声の抑揚はチェックしない。Morは、“そのようなソリューションは性能に限界がありすぎる”、と言う。

Genesis AngelsはVCとして1億ドルのファンドでスタートしたが、主に人工知能やロボット工学方面のスタートアップへの初期段階の投資をねらっている。その第一号が、Beyond Verbalなのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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