調査報告:子供の読書週間は更に失われつつあるらしい(2012年比で8%減)

「ハリー・ポッター」シリーズを楽しんだ人は多いことだろう。しかしAngry Birdsもやはり楽しいし、Snapchatも面白い。Facebookを四六時中見ている人も多いし、ステージで観たJustin BierberをYouTubeで再度楽しむのも普通のやり方だ。メッセージのやり取りやHalo、Disneyチャンネルを見ていてとまらなくなることもあるだろうし、Transformerを何度も観てしまうひともいる。あるいは外でドローンを飛ばすのに夢中という人だっているはずだ。

つまり現在、「本」にはあまりに多くのライバルが存在する時代になっている。Nielson Booksの調査でも、「たまに読書する」(occasional readers)人たちの時間は、徐々に「デジタル」に奪われつつあるようなのだ。Bookseller Children Conferenceでとくに、0歳から17歳の間では「本を読まない」人と「たまに読書する」という層を合わせた割合が、2012年調査時には20%であったのが、今回の調査では28%に増えているのだそうだ。つまり、いつでも本を読むという率が下がっているのだ。

依然として「読書」というのが「人気のある」アクティビティであるのは、本好きにとっても良い話だろう。子供たちのうちの32%が、毎日本を読んでいるのだそうだ。人気アクティビティの第2位で、1位のテレビ(36%)に少し負けているだけだ。「読書」が少なくとも今のところは21世紀のエンターテインメントであるソーシャルネットワーク(20%)、YouTube(17%)、あるいはモバイルゲームないしモバイルアプリケーション(16%)を上回っている。

1週間の幅で見ると、60%の子供たちが本を読んでいるというのも良い話なのだろう。しかし、実はここに読書習慣の「衰え」が観られるのだとNielson BooksのJo Henryは言っている。

1日に45分以上本を読む「本の虫」ないし「大の本好き」といった人種は、巷に溢れるガジェットの影響などなく、相変わらず本に夢中だ。しかし「ほとんど読まない」子供や「たまに読書する」子供たちは、これまで以上に本から遠ざかりつつあるようなのだ。

たとえば上のグラフは1週間単位のアクティビティについてまとめたものだが、2012年から2013年にかけて伸びたのは「ゲーム」(Play games apps)、「YouTube」(Visit YouTube)、「メッセージのやりとり」(Text)だけなのだ。読書週間は非常な勢いで減じつつあると見ることもできる。

これはすなわち、さらなる「自己啓発デバイド」を招いているのではないかと心配するむきもある。下に載せた1990年台風カラフルグラフが、年代ごとの読書週間を示すものだ。

確かに、この手の調査というのは少々割り引いて考えるべきものなのかもしれない。数値は平均データを取り上げただけに過ぎず、また調査も公平なものとは言えなさそうだ。

ただ、読書習慣は少なくとも2005年辺りから徐々に失われつつあるというのは他の調査でも指摘されている[PDF]。さらに、National Literacy Trustの調査によるとウェブ上で文章を読むということも2005年比で減少しているのだそうだ(64%から50%)。すなわち、読書習慣に変わって、電子的読書が進んでいるというわけでもないようなのだ。

読書が知育に役立つものであるのは間違いのないことなのだろう。ただ、文字を読むことに抵抗を感じる人もいる。新しい時代に適合する方法を考えて、例えば『蝿の王』Snapchat版などというものを考慮する時期にきているのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H)


投稿者:

TechCrunch Japan

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