ワシントンDCにあるショッピングモールが導入した警備ロボットが、仕事中に突然、施設内にある池に身を投げて動かなくなってしまいました。ロボットの自殺はアシモフのロボット工学3原則に違反する行為です。
自殺を図ったと伝えられるのはKnightscope社製の警護ロボット「K5」。身長およそ152cm、重さは136kgもある、そこそこ大型のロボットです。このロボットはショッピングモールに導入されてからは施設内を動き回り、なにか異常を発見すれば警備室もしくは警察に通報する仕事を任されていたとのこと。
ロボットの雇い主であるショッピングモールの管理者は、普段のK5について特に変わったところはなかったとしており、なぜ身を投げたのかは記事執筆時点では明らかになっていません。
It’s a fun day here at @gmmb. The super high-tech security robot at our office complex has had a mishap. pic.twitter.com/nhRshrJA9w
— Greg Pinelo (@gregpinelo) July 17, 2017
ただ、この4月にはシリコンバレーで同じKnightscope K5が深夜勤務中、近くにいた酔っぱらいに転倒させられるという事件があったばかり。幸いにも、転倒させられたK5は自ら警察へ通報し、すぐに犯人の酔っ払いを逮捕することができました。とはいえ、Boston Dynamics製ロボットとは違って転倒させられると手も足も出ないK5シリーズは、もしかするとそのことを気にしていたのかもしれません(?)
一方、K5のレンタル派遣料金は1時間あたり7ドルしかなく、合衆国が定める最低賃金よりもさらに25セントも安く雇われていたことが、ひょっとしたら不満の募るところだった可能性も(?)
SF作家アイザック・アシモフはロボット工学3原則の第3原則として、人に危害を加える恐れがない場合、もしくは人に命令されたのでない場合は自己を守らなければならないと定めました。もしK5がロボット工学三原則を遵守して作られているのなら、ロボットが守るべき原則を破ったことになります。
Our D.C. office building got a security robot. It drowned itself.
We were promised flying cars, instead we got suicidal robots. pic.twitter.com/rGLTAWZMjn
— Bilal Farooqui (@bilalfarooqui) July 17, 2017
……真面目に話をすれば、今回の事故は何者かによるいたずらの可能性も指摘されています。ただ、落ちたのが池だったのは、原因が何であれ不幸中の幸いでした。もしこれが普通の人が通る階段だったら、135kgもあるロボットに跳ね飛ばされて大けがをする人が出ていた可能性もあったはずです。
Engadget 日本版からの転載。