Moneytreeは2013年4月にローンチした個人財務管理(PFM)のためのアプリだ。Moneytreeの特徴は銀行口座、クレジットカード、ポイントカードの口座情報を登録しておくと、全ての残高情報をアプリからすぐに確認できるようになることだ。これまでiPhoneとiPad用のiOSアプリとウェブ版をリリースしていたが、マネーツリーは新たにAndroid版をパブリックベータでリリースしたと本日発表した。
Moneytreeに各口座情報を登録すると口座残高、支出、ポイント残高をそれぞれ一覧で確認できるようになる。タップするとそれらの内訳が分かる。口座残高が一定金額以下になった時や大口の出金や入金があった時などを知らせる通知設定も複数あり、カスタマイズも可能だ。スマホを横にすると全資産の推移、支出、現金入出金のグラフが表示される。アプリの使いやすさと利便性が評価され、Moneytreeは2013年と2014年の2年連続でApp Storeのベストアプリを受賞した。2015年10月にはウェブ版をリリースし、今回はAndroid版をリリースした。
Moneytreeの他にも家計簿アプリはいくつかあるが、Moneytreeが最も重視しているのはセキュリティーとプライバシー保護とMoneytreeでChief of Marketingを務めるザック・タウブ氏はTechCrunchの取材に答えた。ユーザーの資産情報というとてもセンシティブな情報を扱っているため、安心して使えることが大切だとタウブ氏は言う。
Moneytreeではログインや口座登録に必要な情報以外はユーザーから取得しないとタウブ氏は強調する。ユーザーが登録した資産情報に基づいてアプリ内に広告やバナーを出すようなファイナンス・マーケティングも一切行わないと話す。また、国際的な個人情報の認証規格であるTRUSTeの認可も毎年更新して、個人情報の取り扱いに配慮しているという。
アプリのセキュリティー対策としては、iPhoneの指紋認証機能の「Touch ID」への対応や定期的な侵入テストなどを行うなどコードベースから安全性を確かめているとタウブ氏は説明する。今回のAndroidアプリについてもゼロからコードを書き、不審なサーバーとの通信を行わないようにする認証ピニングを行ったり、複数あるAndroid端末のどれでも安全を保証できるよう、認証情報や資産情報を入力するキーボードをアプリに内製するなどの工夫をしたりしているそうだ。
iOSアプリのダウンロード数は100万に上るとタウブ氏は言う。Moneytreeは2015年10月には3大メガバンクのVCであるみずほキャピタル、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、そしてセールスフォース・ドットコムより大型出資を受けたことを発表している。金額は非公開だが、他にも家計簿アプリの競合としてマネーフォワード、Zaim、Dr.Walletなどがいるこの分野で勝ち抜くための資金を得たようだ。少しずつ採用も進めているとタウブ氏は言う。
iOSのMoneytreeアプリでは無料で提供している主要機能の他に、経費精算機能が利用できるMoneytree PLUSと法人口座に対応するMoneytree PROの有料プランを用意している。今回リリースしたAndroidアプリはひとまずiOSアプリで無料提供している主要機能のみを実装しているそうだ。本日パブリックベータでリリースし、3月1日の正式リリースに向けてアプリのフィードバックを求めるとタウブ氏は言う。Android版の登録はこちらからできる。