Amazonは昨晩、Amazon Destinationsという名の新しい旅行サイトを公開した。自宅から車で行くことのできる「近場の旅行先」を探すためのサイトだ。現在Amazon Destinationsでは、ロサンゼルス、ニューヨーク、シアトルのアメリカの主要3都市の近郊エリアにあるホテルを特集をしているとAmazonは伝えた。
Amazonが旅行の分野に進出を試みるのは今回が初めてではない。Amazon Localでは、ホテルの宿泊費を40%から60%の大幅な割引価格で提供するフラッシュセールスのサービスを行っている。それに対しAmazon Destinationsでは掲載しているホテル数を増やし、またホテルも社内で厳選したもののみを取り上げている。また宿泊料は割引価格ではなく、ホテルが提示する金額だ。これにより、Amazonは今後より多くのホテルの情報を掲載することができるだろうと、Skiftが記事で説明している。Skiftは新しいサイトのローンチにいち早く気付いていた。
Amazon Destinationsでは現在、有名な旅行先や観光地のホテルを掲載している。ニューヨークの近郊エリアでは、例えば、アディロンダック山地、キャッツキル山地、ハンプトンズ、ジャージーショアが特集されている。太平洋岸北西部では、カスケード、 ポートランド、 ピュージェット湾、ワシントンコーストなどがあり、南カリフォルニアエリアでは、パームスプリングス、 サンタバーバラ、 セントラルコースト、 南カリフォルニア山地といった人気地域の掲載がある。
このサービスの目標は、旅行者が簡単に旅行の計画を立てて予約を入れられるようにすることだとAmazonは説明した。「アメリカの国内旅行の40%以上が1泊から3泊程度の短い旅行で、そのほとんどが車で行くことのできる近場が旅行先です」とスポークスマンのTom Cookは言う。「しかし近場の旅行は意外にも計画するのが難しいのです。旅行者は良い場所を知らなかったり、計画には大変な手間がかかったり、素敵な宿泊先を見つけられないこともあります」。
Amazon Destinationsをアメリカの他の主要都市に拡大するか否かについてAmazonは言及しなかったが、将来的にそのような計画をしていたとしても何ら不思議はない。Amazonの既存のユーザーベースを惹きつけることができるだろう。サイトには、掲載しているホテルのレビューをユーザーが書き込めるようになっていて、TripAdvisor、ExpediaやYelpといった旅行サイトや施設に対してレビューを付けるサイトと競合することが予想される。
このサービスは、Amazonが生活用品の販売から裾野を広げるための戦略の一つなのだろう。Amazonは、ユーザーの自宅前まで生活用品を届けるところからはじまり、今ではデジタル商品をダウンロードしたりアクセスしたりできる商品も提供している。そして最近、Amazon Home Servicesをローンチし、地域限定の仕事を取り込むことに乗り出した。Amazon Home Servicesは、様々な地元の事業者とユーザーをつなげるマーケットプレイスだ。
現在、Amazon Destinationsは Amazon Local ブランドの傘下にある。Amazon Localは、今でもGrouponの競合として機能し、様々な店舗、レストラン、バー、クラブ、更にはオンライン、そしてオフラインのサービスを割引価格で提供している。Amazon Destinationsは、ウェブサイトとAmazon Localのモバイルアプリの両方から利用できる。
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