通信会社とテクノロジー企業たちによる、FCCによるネット中立性破棄の投票結果に対する反応

FCCは、2015年のOpen Internet Orderで確立されていた、ネット中立性ルールの撤廃を議決した。予想されていたことだが、ただちに多くの著名なインターネット企業たちが、委員会の決定を非難する声を挙げている。しかしながら、著名な通信会社たちからは、本日のFCCの決定に対して、非難の声に負けない、力強く熱い支持の声が挙げられている。

以下に挙げるものは、現時点までのそうした声を拾い上げたものである。私たちは、さらに多くの発言を待っており、順次更新して行く予定だ。

1/14 :Comcast

Comcastは、TechCrunchに以下のステートメントを送って来ている「私たちは、インターネットの自由の復活へ対する、FCCのPai議長のリーダシップ、ならびにFCCコミッショナーの O’RiellyとCarrによる尽力を称賛致します。このことでTitle IIによって課されていた負担が取り除かれ、この先何十年にも渡るインターネットの繁栄を可能とする規制環境が取り戻されました。そしてさらなる投資とデジタルイノベーションへの扉が開かれたのです。本日の決定は『私たちの知っているインターネットの終わり』を意味するものではありません。むしろ、消費者の皆さまの利益となる緩やかな規制の時代の到来を告げるものなのです」。

2/14 :Netflix

Netflixは以下のようなツイートを行っている。「私たちは、まだ見ぬイノベーションや創造性、そして市民参加の水先案内役である#NetNeutrality(ネットの中立性)が骨抜きにされる決定に失望しています。これは、長い法的闘いの始まりです。Netflix は大小を問わず、このFCCの見当違いの命令に反対するイノベーターたちとともに立ち上がります」。

3/14 :AT&T

AT&Tは以下のような声明をリリース した「10年以上に渡り、共和党と民主党の政権下で、AT&Tはブロードバンドサービスをオープンで透明性のあるやりかたで提供し続けてきました。私たちはウェブサイトをブロックすることも、コンテンツの検閲もおこないません。そしてコンテンツに基づいてトラフィックを加速あるいは減速することもありませんし、インターネットトラフィックに対するアンフェアな差別も行いません」。

4/14 :Twitter

Twitterの公式ポリシーアカウントは以下のようなツイートを行っている「@FCCが行った、 ルールを破壊する投票は、イノベーションと表現の自由に対するボディーブローです。私たちはオープンなインター ネットを守り、この誤った決定を覆すために闘い続けます」。

5/14 :Google

Googleは記者たちに声明文を送った。その内容は以下のようなものだ「私たちは、圧倒的な支持を集めている、ネットの中立性に対するコミットの姿勢を崩すことはありません。それは裁判所によっても承認されてきたもので、インターネット経済のあらゆる場所でうまく働いているのです。私たちは規模を問わず他のネットの中立性支持者たちと、法的強制力の保護を推進するために、協力して行きます」。

6/14 :Reddit

RedditのCEOのSteve Huffmanは、以下のような意見を投稿している「とはいえ、本日の投票は始まりに過ぎないのです、終わりではありません。ネットの中立性を維持するための闘いは、私たちが望むよりも長引きそうですが、敗北からは程遠いものです。多くの人たちが、次は何だと問いかけています。私たちはそれが何かは、まだはっきりとは分かりません。しかしFCCの決定は程なく法廷での争いへと移されることでしょう。そして私たちはその争いを支援します。議会が私たちの主張を取り上げ、FCCの政治的雰囲気に左右されない、強力で強制力のあるネット中立性ルールを制定することも可能なのです。ともあれ、これは時間がかかる複雑なプロセスとなるでしょう」。

7/14 :Amazon

Amazonはその公式ポリシーアカウントから、以下のようにツイートしている「今日の投票に先立ち、私たちは@FCCに対し、#NetNeutrality規則の継続を強く訴えました。私達のお客様が、オープンなインターネットを楽しむことができることを保証することが、Amazonの最重要課題です」。

8/14 :Microsoft

Microsoftの最高法務責任者は以下のようにツイートしている「オープンなインターネットは、消費者、ビジネス、経済の全体に便益をもたらします。本日のFCCによる保護の撤廃は、それを危険に晒すことになります」。

9/14 :Sprint

Sprintは以下のような声明を発表した「Sprintは、この重要な手続きの中で、複数のステークホルダーの利害のバランスを取りながら、複雑で困難な課題を単純化したFCCの尽力を称賛します。私たちの立場は、これまでもそしてこれからも、自由競争がオープンなインターネットを促進する最善の方法だということです。これまでの複雑で曖昧な規則は、ネット中立性のコンプライアンスに対して不確実性を生み出していました。本日の委員会の決定は、それらの不確実性を排除し、Sprintに自分たちのネットワークを管理し、競争力のある製品を提供できるようにするものと思えます」。

10/14 :Facebook

FacebookのCOOは以下のような投稿を行った「本日の米連邦通信委員会(FCC)による、ネット中立性終了の決定は、残念なことであると同時に有害なものでもあります。オープンなインターネットは、新しいアイデアと経済的なチャンスのためには不可欠なものです。そしてインターネットプロバイダーが、人びとがオンラインで見ることができるものを決めたり、特定のウェブサイトに対しより高額なチャージを行えたりできるようにすべきではありません。私たちは、インターネットを誰に対しても自由でオープンな場所にするために、議員たちやその他の人びとと協力する準備を整えています。

11/14 :Mozilla

同社は次のようなツイートを行っている「@FCCは、@AjitPaiFCCが提言した、を殺す規則を可決しました。私たちは怒っています。しかし、闘いはまだ終わっていません、まだ議会が対応することができるからです。議会に対して@AjitPaiFCCの意図を阻止するように働きかけることが可能なのです:https://mzl.la/2o94x8S」。

12/14 :Airbnb

AirbnbのCEOは以下のようにツイートした「ネットの中立性を排除するというFCCの投票結果は、間違いであると同時に残念なことです。自由でオープンなインターネットは、イノベーションや、開かれた社会、そして経済的エンパワーメントへの様々な手段を得るために不可欠なものです。@Airbnb引き続きネットの中立性を主張していきます」。

13/14 :Etsy

「多数のマイクロビジネスが、オンラインでスタートし成長することを可能にしてきた、ネットの中立性を守るために、これまで一所懸命に闘ってきた人たちにとって、今日は悲しい日となりました。FCC会長のPaiは、彼の欲するように投票を制しましたが、自由でオープンなインターネットのための戦いが終わったわけではありません。Etsyと私たちの売り手は、引き続き議会や裁判所で、明確でシンプル、そして明るいネットの中立性の保護を主張していきます。最終的には、莫大な数のマイクロビジネスたちのニーズと関心が、少数の巨大なケーブル会社のそれを打ち破ることができると信じています」と、同社は声明の中で述べている。

14/14 :Stripe

Stripeの顧問弁護士であるJon Ziegerは以下のようにツイートしている「消費者や、市民社会、そして私たちの経済の最もダイナミックな部分に悪影響を与えるようなポリシーの、理論的根拠を理解することは困難です。私たちはこの決定を悔やむことになるでしょう」。

原文へ

(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。