太陽が出ているときだけ現れるソーラーパネルがあったらいいと思わないだろうか?それがこの研究プロジェクトのテーマだ。彼らは形状変化材料を使って圧縮された状態から大きくなるソーラーパネルを作ろうとしている。形を変えるきっかけは温度の変化だけだ。
この花のような形をしたプロトタイプは、「形状記憶ポリマー」と呼ばれる材料で作られていて、冷たい状態で、ある形状にしたものが加熱されると、元の自然な形状に戻ろうとする。ここでは冷却時の状態が圧縮された円板で、高温時は大きく広がったソーラーパネルだ。
変化には1分とかからない(デモンストレーションのためお湯につけている)。網状に配置された蝶番(ちょうつがい)によって別の形状へと誘導される。この仕組みのアイデアは、小さなウニ状のボールを放り投げると大きな球に変形するホバーマンスフィア(Hoberman Sphere)と呼ばれるおもちゃがヒントになった。
この物質は冷却状態、例えば人工衛星に設置されたときには固定されたままでいる。太陽光を受けると、構造がフルサイズに拡大される。電力は必要ない。このため、パネルを広げるためのバッテリーも予備のソーラーパネルも置けない人工衛星で、場所の節約になることが期待できる。
今のところ変形は一方向で、大きくなった円板は手動で戻さなくてはならない。しかし、フル充電されたあと、次に太陽光を受けるときまで自身を折り畳むための機構を別途作ることが考えられる。
これが来年宇宙船に載ることを期待してはいけないが、将来小さな人工衛星などで少なからず役立ちそうな優れたアイデアに違いない。それに、もしかしたらその前に、小さなパネルの花園を屋根の上で見られる日がくるかもしれない。
カリフォルニア工科大学とスイス連邦工科大学チューリッヒ校による共同研究の詳細は、Physics Review Applied誌で発表されている。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )