新しい「宇宙パズル」が現れるたびに、われわれは期待に胸を膨らませてしまう。しかし、それが地球外生命体からのメッセージやリングワールドでないからといって、科学的興味の対象でないという意味ではない。今日の出来事は、遥か遠い銀河から来た「高速電波バースト」に関連している。ただし、高度な文明から送られてきた秘密のメッセージを期待してはいけない。
高速電波バースト(FRB)は、銀河系の外から突発的にやって来る強い電磁波だ。何が原因でおきているのか誰も知らないが、われわれが観察したことのある何物とも違う可能性が高い——そしてその特異性によってノイズの多いデータの中での主要な標的になる。
昨秋SETIプロジェクトがごく少数を捉えたが、ほかにCHIMEと呼ばれる事実上全宇宙に向けられどこを「見る」かはソフトウェアで選ぶ最新の電波望遠鏡による観察も行われていた。そして今日(米国時間1/9)発表された2つの論文によると、新たに13個のFRBがその方法を用いて発見された。
「この望遠鏡には可動部品がない。代りにデジタル信号処理によって望遠鏡を標的に「向ける」ことで電磁波がやってくる場所を推定する。これは巧妙なアルゴリズムと望遠鏡近くに設置された巨大なコンピュータークラスターを用いてリアルタイムに計算して行われる」とCHIMEの発見に携わったMITのKiyoshi Masui准教授がニュースリリースで説明した。
この種のソフトウェア制御による方法は、コンピューターの計算能力と小型アレイの効果が高まったことで、急速に普及してきた。
FRBが宇宙のどこに現れたのかをこのビデオで見ることができる。
理解の助けになれば幸いだ。
当然だれもがこれを、超高知能の発信者であふれる宇宙船か惑星が、地球に向けて信号を送っていると考えたいが、もちろん、そのためには遠い〈遠い〉昔に発信されていなければらならない。それよりも、「特定の性質の場所に位置する傾向のある強力な天体物理学的物体」である可能性が高いと研究者らは推測している。
超新星、ブラックホール、クェーサー——宇宙には多くの奇妙な高エネルギー物質が存在しており、それらが組み合わせってなにが起きるかはだれにも想像できない。最近観察されたFRBには、従来よりずっと短い波長も含まれており、極めて多様であることが考えられる。
しかし、FRBよりもっとずっと稀少なのが、〈反復する〉FRBで、これまでにプエルトリコのアレシボ天文台で1回しか発見されていない。今回もう1回見つけるまでは。
1回だけであれば、その1回は宇宙線異常かもしれない——おそらく数十億年に一度起きる極めて稀な出来事。しかし、数年のうちに2回? それは、もっとありふれた現象であることを示唆するものであり、どこを探すともっと見つかりそうかはわかっている。
地球外文明ではないかもしれないが、科学にとってまったく新しい何かであれば、それはすばらしい残念賞だ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )
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