電光石火のウェブ体験の実現するデジタル広告技術Kargoが新パブリッシングシステム「Fabrik」

デジタル広告技術を提供するKargoは、新製品であり新事業部門となるFabrikをローンチした。

創設者でCEOのHarry Kargman(ハリー・カーグマン)氏によれば、Fabrikは現代のパブリッシャーの需要に応えてデザインされたコンテンツ管理システムであり、Kargoの広告テクノロジーと一体化されているという。

カーグマン氏はこれを「省力的パブリッシング」という、Kargoの大きなミッションと見なしているという。広告業者には無理難題のようにも聞こえるが、同社は「広告事業でのずば抜けた経験と収益力」でそこに挑んできたと彼は話す。それでも彼は「まだ足りない」と感じていた。

特にカーグマン氏の気がかり、多くのウェブサイトが「重すぎる」ために、読み込みが非常に遅いことだ(それを証明するために、彼はTechCrunchのホームページを読み込んでみせた。たしかに、私が思っていたより遅かった)。それが読者を逃がす原因となり、Google検索のランキングを落とすという困った結果をもたらす。

そこでFabrikは「電光石火」のウェブ体験の実現を目標とした。これはOK Magazin(オーケー・マガジン)のサイトを開いてみればわかる(編集部注:日本では閲覧不可)。Fabrikの話では、このスピードはサードパーティーのトラッカーとプラグインの必要性を排除することで達成されているとのことだ。実際、カーグマン氏は、プラグインは「インターネットの死」だと説明している。彼はよくパブリッシャーにこう尋ねるそうだ。「お金を儲けたいのか、それとも大量のプラグインを集めたいのか?」。

「私たちはGoogleのベストプラクティスとCore Web Vitals(コアウェブバイタル)を指標にしています」と、COOのMichael Shaughnessy(マイケル・ショーネシー)氏は説明する。「速度を低下させる恐れのあるアイテムをどう読み込むかに、私たちの高度な戦略があります」。

このローンチは、多くのパブリッシャーが、サブスクリプションやメンバーシップといった、広告を超えたビジネスモデルを模索している時期と重なった。それらの取り組みにもFabrikは補完的に貢献するとショーネシー氏は主張している。なぜならそれは「基礎を簡素化する」からであり、結果としてマンパワーを新たな商業活動に振り向けることができるからだ。

広告面としては、カーグマン氏はこう話す。「私たちは自社のアドテックを、Kargoを使わない理由は考えられないというかたちでFabrikに直接組み込んだと自負しています。とはいえ、排他的にKargoだけを使うようなことは決して要求しません。私たちが望むのは、ブランデッドエンターテインメントをカットし、自分たちが本当にやりたいことだけができるようにして、パブリッシャーが自身のサイトで収益を上げられるようにすることです」。

前述のとおり、FabrikはKargo傘下の独立した事業部門として分離される予定だ。Fabrikは独自の顧客とCEOを抱くことになる。現在、カーグマン氏はその候補者と話をしている最中であり「発表には時期尚早」とのことだ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:KargoFabrik広告

画像クレジット:Fabrik

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(文:Anthony Ha、翻訳:金井哲夫)

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TechCrunch Japan

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