韓国のインターネットサービスプロバイダー(ISP)で同国の通信企業SK Telecomの子会社であるSK Broadbandが、Netflixを反訴して、このストリーミングプラットフォームが過去3年間使用した帯域への支払いを要求している。
この訴訟は、韓国の裁判所が6月にNetflixに不利な判決をしたことが契機だ。それに力を得たSK Broadbandは、ストリーミングのプラットフォームに対して、彼らが過剰な量の帯域を消費し、ネットワークのトラフィックを重くしていることに対して、ネットワークの使用料を請求している。
Netflixの広報担当者は、TechCrunchの取材に対し「SK Broadbandが当社に対して起こした訴件は今後検討する。その間私たちはオープンな対話を継続してSK Broadbandと協力する道を探し、弊社が共有している顧客のためにシームレスなストリーミング体験を確保したい」と述べている。
米国のストリーミング巨人は最初2020年に最初に申し立てた訴訟に敗訴し、7月にはその判決に関して上級裁判所に控訴していた。その訴訟では、ネットワークを管理する立場にあるSK Broadbandには、帯域の料金を請求する権利がない、と主張していた。Netflixは、このISPが「二重請求」をしようとしている、と主張した。すなわち一般ユーザーがすでにブロードバンドの利用に関して払っているにもかかわらず、今度はストリーミング企業にも課金しようとしている、と同社は主張した。
韓国のメディアによると、SK Broadbandはネットワークの利用に対して年間2300万ドル(約25億5000万円)を請求する計画だという。
2019年にSK Broadbandは韓国通信委員会に調停を求めたが、2社は合意に達しなかった。
SK Broadbandの主張では、このISPのネットワーク上におけるNetflixのトラフィックは、2018年5月の毎秒50ギガビットから、2021年9月には1200ギガビットと、急激に24倍に伸びた。
9月28日のNetflixの主張によると、韓国におけるコンテンツ制作への投資は47億ドル(約5221億円)相当の社会経済的効果をもたらし、その効果は出版から消費者製品までのあらゆるものに及んだ。また雇用に関しては、Deloitte Consultingの報告書によると、同社は2016年のサービス開始以来韓国国内に1万6000の雇用を創出した。2020年末現在、Netflix Koreaの韓国国内の有料会員は380万にのぼり、同社のグローバルの有料会員はDeloitte Consultingの報告書で2億と推定されている。
Netflixの広報担当者はさらに別途、韓国の番組「Squid Game」はNetflixの最大の番組になろうとしており、米国Netflix上で韓国の番組が1位になるのも、これが初めてだという。
一方もう1つのグローバルなストリーミング巨人であるDisney+は、11月の韓国でサービスを開始する。伝えられるところによると、この巨人は帯域の使用料という問題を避けるために、ISPのネットワークではなくサードパーティのコンテンツデリバリネットワーク(CDN)を使う計画らしい。
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画像クレジット:Krisztian Bocsi/Bloomberg/Getty Images
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(文:Kate Park、翻訳:Hiroshi Iwatani)