香港の食品eコマーススタートアップのDayDayCook(日日煮)が21億円を調達

中国のフードブログコミュニティが活況を呈している。多くのブロガーたちが、忠実なフォロワーに食品を売り込むことで大金を稼いでいるのだ。これは投資家を魅了するビジネスモデルだ。

今週、香港を拠点とするスタートアップDayDayCook(日日煮)が、その多機能な食品プラットフォームをさらに拡張するために2000万ドル(約21億円)を調達したと発表した。同プラットフォームをアクセスしているのは主に大陸中国からの利用者たちだ。銀行家から転身した食品ブロガーで起業家のNorma Chu(ノーマ・チュー)氏によって創業された同社は、ちょっとしたことをなんでも手掛ける企業だ。レシピや食品ビデオをフィーチャーしたアプリ、高級モールでの料理教室、オンラインで販売される自社ブランドの食品プロダクトラインがその収益の80%を占めている。

ロンドンに 拠点を置くTalis Capital(タリス・キャピタル)が調達ラウンドを主導し、そこに香港のIronfire Venturesが参加した。創業8年であるこのスタートアップは、これまでに総額6500万ドル(約68億5000万円)を、Alibaba(アリババ)が設立し香港と台湾の若い起業家をサポートする非営利団体のAlibaba Entrepreneurs Fundなどから調達している。

DayDayCook製品のセールスポイントは、慎重に用意されたブランドストーリーだ。ユーザーは最初にスタートアップがソーシャルチャネルを介して公開したコンテンツを視聴し、次にDayDayCookの調理済みまたは簡易調理食品パックや、台所用品などの顧客になる。

「私たちはコンテンツツーコマースモデルを本気で信じています」と語るのは、Talis CapitalのマネージングパートナーであるMatus Maar(マティス・マール)氏だ。

彼はさらに、豊富なモバイル編集ツールによりコンテンツの作成が簡単になったおかげで、「中国の田舎に住む人でも素晴らしいコンテンツを作成して、巨大なフォロワーを生み出すことができるのです」と説明した。彼は農村での自給自足生活を描いた動画を、Youtubeや国内のサイトに投稿することでスターの座に躍り出た、中国の隠遁的なインフルエンサーであるLi Ziqi(李子柒)氏について言及した。

「これは、非常に洗練されていたり、メガエージェンシーから提供されたコンテンツを見たくない人たちの間で、共鳴するように広がっているのです。インターネット上の人々は、本物を見たいと思っています。本当のことをしている人を見たいと思っているのです」と彼は語った。

食品のインフルエンサーは多数存在するが、収益を挙げられるベンチャーを構築できる準備を全員が整えているわけではない。マール氏は、DayDayCookなら必要な要素をすべて整えていると信じている。供給元、配送手段、物流管理、発送業務などのすべてだ。自社ブランド製品を開発することにより、スタートアップは高い利益率で販売することもできる。

チュー氏によれば、彼女の会社は自社アプリ上に230万人の登録ユーザーを集めているという。JD.com(京東商城)やAlibabaのTmall(Tモール)などのeコマースチャネルを通じて注文する有料ユーザーは、前年比12倍の220万人に成長した。

DayDayCookのコンテンツはリーチが広く、マイクロブログプラットフォームのWeibo(微博)、TikTokの中国語版であるDouyin(抖音)、Tencentのビデオサイトなどで、6000万人のフォロワーを獲得している。だがこれはインフルエンサーの時代にはそれほど多いようには思えないかもしれない。なにしろ個人である前述の李子柒氏も、YouTubeだけで1200万人近くのチャンネル登録者を数えているのだ。

カテゴリー:VC / エンジェル

タグ:DayDayCook 香港 インフルエンサー

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(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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