コロラド州は昔から銃による暴力事件がよく起きる土地なので、Boulderに住む17歳の高校生Kai Kloepferが、火器の使用にバイオメトリクスによるユーザ認証を持ち込みたいと願っても、それほど奇異ではない。Kloepferはこのほど、火器の安全化技術を競うSmart Tech for Firearms Challengeプロジェクトから5万ドルの研究開発助成金をもらった。
この賞金総額100万ドルのSmart Techコンペのスポンサーは、エンジェル投資家で銃改革の唱道者Ron Conwayだ。この事業は今年初めに、“ワシントン(政府)に頼らずイノベーションの力で銃を安全化する”、をスローガンに立ち上がった。Conwayは今年の1月、SF Examiner紙に、同事業のねらいを語っている。推進団体Smart Tech Foundationによると、賞金の100万ドルは合計15のイノベーションに分有される。賞金をもらった第一号が、Kloepferだ。
彼が発明した銃は、使用するためにはユーザIDと指紋による認証を必要とする。ユーザIDと共に銃にあらかじめ登録してある指紋と合致した人のみが、銃をアンロックできる。見るからに頭の良さそうなそのティーンの少年は、前から情報のセキュリティに関心があった、という。彼によると、すべてのユーザデータは銃本体に保存され、何もどこにもアップロードされないから、ハックするのは相当困難だ。だから、軍用にも適しているだろう、と。
Kloepferは2年前に高校の科学のプロジェクトとして、このアイデアを思いついた。“これから眠ろう、としているときにアイデアがひらめいた。それは、あの事件のおかげで、ぼくの心の底に生まれたもののようだった”、と彼は言う。事件とは、あのオーロラ銃乱射事件のことで、当時は誰の心にもその記憶があった。事件の現場は、彼の家から車で一時間ぐらいの場所だった。“ぼくはそのアイデアをメモしてから眠り、翌朝から研究を始めた”、と彼は言う。
最初は、部品などを買うために親が金を出してくれた。何度も改造を重ね、最終プロトタイプが完成するまで3000ドルを要した。“最初は、紙に書いたコンセプトにすぎなかったんだけどね”、と彼は言うが、高校の科学祭があるたびに、だんだん本物になっていった。“今現在はプラスチックによるプロトタイプだ。まだ未完成だが、動作はする”、と彼は言う。
5万ドルの一部で3Dプリンタを買い、プロトタイプの新しい部品を作った。今年高校を卒業するKloepferは、卒業までには指紋スキャナーを組み込みたい、と言っている。
Kloepferは曰く、“合衆国では30分に一人、子どもが銃で死んでいる。ぼくの銃で事故による死亡や負傷を減らして、悲劇を防ぎたい”。(原注: 毎年1500名の子どもが銃で死亡し、負傷者はさらに多い…Center for Injury and Research Policyのデータより。)
彼はコロラド州の州都Denverで今週〔9/7-9/13〕行われたTEDx Mile High: CONVERGENCEで、彼のバイオメトリクススマートガンについて語った。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))