ロサンゼルスのHyperloop TechnologiesはHyperloop Oneと改名し、本日シリーズBラウンドの資金調達により8000万ドルの資金を得たことを発表した(米国時間5月10日)。
ちょうど数日前、ライバルで同じくハイパーループを開発中のHyperloop Transportation Technologies (HTT) が自社のhyperloop用の磁気浮上技術のライセンス契約を発表したところだった。
Hyperloop One (旧Hyperloop Technologies)とHTTは共にLAを拠点にイーロン・マスクの提唱したハイパーループの建設に取り組んでいる。ハイパーループとは、真空のチューブを利用した交通技術で、乗客はチューブ内を飛ぶようにサンフランシスコとロサンゼルス間を30分以下で移動できるという。
これまで社名がライバルのものとあまりにも似通っていたため、今回Hyperloop Oneが、明日行われるラスベガス北部での屋外推進テスト(POAT)に先立ち社名変更を発表したのはちょうどいいタイミングだったと言える。
今回の資金調達に関しては、すでに投資を行っているSherpa Ventures、8VC、ZhenFund、 Caspian Venture Partnersの他に、新規に137 Ventures, Khosla Ventures、Fast Digital、Western Technology Investment (WTI)、SNCF(フランス国鉄、これは興味深い出資元だ)、GE Venturesなどが参加している。GE Venturesはヨーロッパや中国など様々な地域の高速鉄道事業に多額の投資を行っている。これで総額の調達額は1億ドルになった。
「想像を超える反響から明らかなように、Hyperloop Oneは、現在地球上で最も深刻な問題の1つを解決する上でトップを走っているのです」とHyperloop Oneの共同設立者でベンチャーキャピタリストのShervin Pishevarは声明で述べた。「最も聡明な人々が最高のタイミングで結集し、経済や文化を分断する距離と境界の壁を取り払おうとしています」。
PishevarとBrogan BamBroganは、イーロン・マスクがハイパーループ構想を2013年に提唱したすぐ後に、その構想を実現すべく共同で会社を設立した。
Hyperloop Oneは去年の9月に新しいCEOとしてRob Lloydを迎え、BamBroganはCTOとなった。
社名変更と資金獲得に加え、新たに強力なグローバルパートナーが加わった。 AECOM、AMBERG Group、ARCTURAN SUSTAINABLE CARGO、ARUP、 Bjarke Ingels Group、Cargo Sous Terrain、Deutsche Bahn Engineering & Consulting、FS LINKS、GRID、KPMG、 SYSTRAがHyperloop Oneと共に未来の交通手段の建設に加わることとなる。
ロサンゼルスの交通事情は酷いので、すごい速さで何百マイルも瞬時に移動することが可能となればそれは素晴らしいことだ。しかし、Hyperloop Oneの本部で聞いたところによると、同社は直近の目標として貨物輸送に注力するという。アメリカ国内及び世界中を舞台に貨物を輸送することにより従来の輸送に伴う排気や物資輸送時間が大幅に低減される可能性がある。
また、Hyperloop Oneはフィンランドとスウェーデンにおいてハイパーループ網がもたらす経済的、社会的効用を調べるための民間資金による事前調査に協力すると発表した。
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(翻訳:Hideo Tsubouchi)