高額転売の抑止効果はあるのか、ぴあが公式チケット二次流通サービス「チケトレ」をローンチ

コンサートやイベントのチケットの二次流通においては高額転売や不正転売の問題がつきまとっていた。2016年夏にはエンタメ業界や賛同するアーティストによるチケットの転売を反対する共同声明も出している。

今回、チケットの二次流通市場において新たな動きがあった。本日エンタメ業界公式のチケットの二次流通サービス「チケトレ」がプレオープンした。チケトレの運営を受託しているのはチケット販売のぴあだ。正式ローンチは6月1日を予定している。

ぴあは日本音楽制作者連盟、日本音楽事業者協会、コンサートプロモーターズ協会、コンピュータ・チケッティング協議会の4団体と協議し、今回のリリースに至ったと発表している。

チケトレで取引されるチケットはすべて券面金額で出品される。会員登録時に本人確認も行う。ユーザー間のチケット売買が成立したら、チケット代金はチケトレ運営事務局が仲介する仕組みだ。購入者が支払ったチケット代金は、公演の4日後に販売者に支払う。購入者が受け取ったチケットが偽造品だったり、届かなかったりした場合は、購入者にチケット代金と取引手数料を全額返金する。

出品者には、チケット券面金額の10%の出品手数料(券面金額が3999円以下の場合は一律400円)と決済システム利用料が380円かかる。購入者には購入手数料10%(券面金額が3999円以下の場合は一律400円)と送金システム手数料が合計金額の3%がかかる。

日本のチケットの二次流通サービスには、他にもチケットストリートチケットキャンプなどがある。取引手数料に関しては、チケットストリートは買い手側にチケット代金8001円以上で手数料5%(8000円以下だと一律400円)がかかる。チケットキャンプは売り手側に8.64%(8000円以下だと一律690円)だ。それに比べると少し高い。

エンタメ業界団体のお墨付きのついた「チケトレ」のリリースは、チケットの二次流通の事実上の解禁と捉えることもできるだろう。ただ、チケトレが単に券面金額通りでのチケット取引を推奨するというだけのものなら、チケット転売を防ぐことにはならないかもしれない。

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TechCrunch Japan

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