今日(米国時間1/7)のCESの会場で行われた本誌TechCrunchのHardware Battlefieldに、Sentry Scientificという企業が高齢者の安全な歩行を支える新しい歩行器技術で参戦した。TechCrunchが主催するコンペへの出場者としては異色だが、しかしむしろ、ソーシャルアプリやサーバ技術などとは無縁なところで行われている技術革新の方が多いのだし、そっちの方が重要な場合も往々にしてある。
Sentryのチームは、その道ならではの真実を知っている: 移動に歩行器具を使用している高齢者は、急坂でブレーキが効かなくて負傷することが多い。
というか、高齢者は歩行器具のブレーキをかけ忘れることが多く、急坂では本人が歩行器から振り落とされてしまうのだ。そこでSentryは、利用者が乗る(座る)と自動的にブレーキがかかり、意図的に手動でそれを解除する必要のある歩行器を開発した。
急な下り坂にさしかかると、パニクって歩行器から落ちてしまう高齢者も多い。そこでSentryが作った歩行器は、路面が傾斜すると自動的にブレーキがかかる。それはいわゆる半ブレーキだが、急坂上の歩行器は、乗っている高齢者が落っこちない程度の緩速を維持する。
ぼくは、これまでの一般的な歩行器とSentryの歩行器を乗り比べてみた。そしてたしかに、Sentryの製品には安心感がある。
2013年の4月に創業したSentry Scientificは、これまで自己資金だけでやってきたが、いろんな催しでもらった賞金が累計で10万ドルを超えている。同社は、市場をこう見ている: 2030年に高齢者人口は今の倍になる。だから当然、歩行器を必要とする人たちも増える。
Sentryは、自身がハードウェアのメーカーになることではなく、各社に技術をライセンスするビジネスモデルを志向している。今すでに数社と商談中だが、まだそれらの社名は明かせない、と言った。
Sentryの歩行器は従来機よりお高くなるが、でも保険が適用される額以内にはおさめたい、と同社は言っている。ニッチな技術ではあるけど、歩行器を本当に必要とする人たちには朗報と言える技術だろう。
原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))