魔法のような滑り心地を体感させてくれる1輪スケートボードのOnewheel

こういう仕事をしていると、ただただ驚かされるというモノに出会うことがある。「いったい何を考えているんだろう」というだけでも相当なものだが、それがさらに「ほんとにやっちゃったのか」という衝撃に繋がるケースもある。

今回紹介する「Onewheel」は、まさに発想の面でも実装の面でも大いに驚かされるプロダクトだ。自分でバランスをとってくれる一輪スケートボードで、現在Kickstarterで資金調達を行っているところだ(訳注:10万ドル目標だが、訳出作業時点で既に約5倍となる47万9000ドルの資金を集めている)。

プロダクトを考えだしたのはKyle Doerksenだ。電気機械系のエンジニアであり、またボードスポーツの愛好家でもある。以前はIDEOに務めていた。個々数年、彼は滑らかなパウダースノーの上でスケートボードやスキーを楽しむような感覚を味わうことのできるスケートボードは作れないだろうかと考えていたのだそうだ。

その結果うまれてきたのがこのOnewheelだ。見かけはシンプルながら、不思議な高性能で、乗ってじっとしていてもきちんとバランスが取れる。どちらかに重心をかけると、最高時速12マイルで走行する。

このOnewheelはボードの一方の側にバッテリーを搭載し、そしてもう片方にコントロールユニットを搭載する。コントロールユニットにはiPhoneにあるのと同様のモーションセンサーも積まれている。モーションセンサーの機能も利用して、速度やバランスの調整をモーターに通知するようになっているのだ。タイヤの動作はインホイールモーター(ハブモーター)により行われる。消費電力はピーク時に2000ワットで、通常は500ワットとなっている。ボードはタイヤの上に乗っかる形になるわけだが、このタイヤはゴーカート用のものだ。

ちなみにDoerksenの目論見としては、このOnewheelは移動手段等、実用の目的を持つものではなかった。しかしKickstarterで出資した人の間では、実用的に使いたいという話が出ているようだ。こうした動向をうけて、Doerksenは移動手段として便利に使うためのモバイルアプリケーションの開発も考えているようだ。

「もともと、趣味で楽しむためのものとして考案したものです。たとえばサーフィンをするのに、どういう目的でサーフィンをするのかということを考える人は少ないと思うのです。ただ、サーフィンが楽しいからサーフィンをするのでしょう。このOnewheelも同じような方向性で考えていました」とDoerksenは言っている。「しかしKickstarterで出資してくれる人の意見をきくと、実用的な移動手段としての利用を考えたいという人が多くいるのです。そうした目的にも沿うような形で、今後の開発を考えていきたいと考えています」とのこと。

動作については上のビデオを確認していただきたい。興味を持った人は、こちらのKickstarterページにてプレオーダーを申し込むこともできる。

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(翻訳:Maeda, H


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TechCrunch Japan

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