鮮魚流通のAmazonを目指す八面六臂が1.5億円の資金調達を実施

鮮魚の流通はIT化が遅れている巨大な市場の1つだ。漁師から産地市場へ、そして納品業者、飲食店にというように鮮魚の流通には多くのプロセスが発生するが、このプロセス間では未だに電話やFAXなどの通信手段が多く用いられている。

八面六臂(ハチメンロッピ)はこの市場を効率化すべく、流通のITソリューションを提供している。そして本日、同社がバリュークリエイト、ベクトル、ウインローダーの3社から総額1億5,000万円の資金を調達した。

八面六臂は飲食店に対してiPadアプリを提供しており、このアプリには日々の鮮魚情報が入力されている。飲食店側はこのアプリを通じて、欲しい魚の種類、サイズ、産地、価格をチェックし、簡単に注文することができる。

このサービスが特徴的なのはマーケットプレイスではない点だ。漁師らが直接アプリに出荷できる商品を入力し、それを飲食店が買うというようなサービスではなく、商品は八面六臂が自身らで調達して販売しているのだという。だから、立ち位置としては納品業者ということになる。

年内には取引先の飲食店は300店舗程度になる予定で、現在は都内近郊を中心に展開しているが今後対応地域を拡大していく予定だという。

これまでの鮮魚流通は冒頭で述べた通り、手間が多いため人件費が高くついていた。松田氏によるとその約50%がムダなコストであり、IT化を進めることで大幅にコストを削減できるのだという。鮮魚流通は3兆円の市場規模があるそうで、八面六臂は2016年までにこの市場の0.1%のシェア(30億円)を取りにいくと語る。

現在のアプリは商品の受発注が主で、松田氏が実現したいものの10%程度しか完成されていない。今後は受発注以外にもどんな商品がいいのかなど、今後は飲食店により役立つ機能も開発を考えているという。

生鮮流通市場では八面六臂のようにBtoBではないが、Amaoznがシアトル地区で長年Amazon Freshという宅配サービスを実験しており、本格事業化されるのではないかという報道もあるなど、密かにこの業界が盛上がってきている。


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TechCrunch Japan

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