アップルは13インチMacBook Proの新モデルを5月4日に発表、5月上旬より販売を開始した。現行製品としては、MacBook Air、13インチMacBook Pro、16インチMacBook Proの3シリーズをラインアップしているが、13インチMacBook Proは第8世代CPUとThunderbolt 3×2の廉価モデル、第10世代CPUとThunderbolt 3×4の標準モデルを用意している。どのモデルを購入するべきか悩んでいる読者も多いことだろう。
今回は、第10世代インテルCoreプロセッサーとThunderbolt 3×4という構成の13インチMacBook Proを試用し、どのようなユーザーが購入すべきか、どのような用途に活用できるのかという点にスポットを当ててレビューしていく。
最大の変更点はキーボードに「Magic Keyboard」が採用されたこと
13インチMacBook Proには下記の4モデルがある。
- 第8世代Core i5(4コア、1.4~3.9GHz)、メモリ8GB、SSD256GB、Thunderbolt 3×2(13万4800円)
- 第8世代Core i5(4コア、1.4~3.9GHz)、メモリ8GB、SSD512GB、Thunderbolt 33×2(15万4800円)
- 第10世代Core i5(4コア、2.0~3.8GHz)、/メモリ16GB、SSD512GB、Thunderbolt 3×4(18万8800円)
- 第10世代Core i5(4コア、2.0~3.8GHz)、/メモリ16GB、SSD1TB、Thunderbolt 3×4(20万8800円)
直販サイトから購入する際は、第8世代Core i5搭載モデルは第8世代Core i7(4コア、1.7~4.5GHz)、16GBメモリ、512GB/1TB/2TB SSD、第10世代Core i5搭載モデルは第10世代Core i7(4コア、2.3~4.1GHz)、32GBメモリ、1TB/2TB/4TB SSDにアップグレード可能だ。
そのほかの基本スペックはほぼ共通。ディスプレイは13.3インチのIPS液晶ディスプレイ(2560×1600ドット、227ppi、輝度500cd/平方m、色域P3、True Toneテクノロジー対応)を搭載し、通信機能はWi-Fi 5(11ac)とBluetooth 5.0に対応している。
外観上の大きな違いは、第8世代CPU搭載モデルがThunderbolt 3×2、第10世代CPU搭載モデルがThunderbolt 3×4となっていること。また第8世代CPU搭載モデルは1台の外部5Kディスプレイまたは2台の外部4Kディスプレイの映像出力に対応しているが、第10世代CPU搭載モデルはそれに加えて1台の外部6Kディスプレイの映像出力をサポートしている。
全モデル共通の最大の変更点はキーボードに「Magic Keyboard」を採用したこと。ファンクションキーとして機能するタッチ対応ディスプレイ「Touch Bar」、指紋認証センサー一体型電源ボタン「Touch ID」は継承しつつ、「esc」キーを独立。またキーボードの構造を、薄型化を追求した「バタフライ型」から、耐久性を重視した「シザー型」に戻している。
実際のアプリではCore i9+dGPU搭載機の約76~84%の処理能力を発揮
処理性能については、CPUベンチマーク「CINEBENCH R20.060」を実施し、「Lightroom Classic」と「Premiere Pro」で実際の処理時間も計測してみた。比較対象機種は筆第9世代Core i9(8コア、2.3~4.8GHz)、AMD Radeon Pro 5500M、メモリ16GB、SSD1TB、Thunderbolt×4という構成の16インチMacBook Pro(28万8800円)だ。
CINEBENCH R20.060のCPUスコアでは16インチは13インチの約1.82倍の圧倒的スコア差を叩き出した。しかし、実際のアプリの処理時間では、16インチは外部GPU「AMD Radeon Pro 5500M」を搭載しているにもかかわらず、それほどの差は開かなかった。
13インチと16インチのMacBook Proのどちらを買うべき?
もちろんほかのアプリで計測を実施したり、また16インチでプラス7万円で選択できるAMD Radeon Pro 5600M搭載マシンであれば結果は大きく変わる可能性が高い。しかし少なくとも今回のマシン、今回のアプリという条件であれば、両者に使い勝手を決定的に変えるほどの差はなかった。13インチと16インチのMacBook Proは画面サイズ、ボディーサイズの好みで選んで構わないというのが筆者の率直な感想だ。