2人の元Google社員が、AIを用いて求職活動のマッチングを行う

2人の元Google社員が、ハイテク産業界の労働者たちに対して、理想の雇用主たちとのインタビューが確実になるようにしようとしている。人工知能を活用するのだ。

この1年ほどの間に、AIは広範な課題に対して適用されてきた。元GoogleのエンジニアだったRichard LiuYunkai Zhouが設立したLeap.aiは、AIがテクノロジー業界の雇用問題を解決することに利用できると考えている。

周知のように、現在のLinkedInは、オンライン求人を代表する体重360キログラムのゴリラだ。しかし、それはとても完璧とは言えない。ほとんどのHR(人事)チームと採用チームは、積み上がるデジタル履歴書を捌くために、終わることのない苦労を続けている。昨年Microsoftに260億ドル以上で売却されたLinkedInの中ではヘッドハンティングオプションが提供されている。しかしそれほほとんどの場合、質というよりは量を担保するもので、このサービスを活用するためには、多大な時間を注ぎ込んで手作業を行う必要がある。

Leap.aiの創業者であるLiu(CEO)とZhou(CTO)は中国からやって来て、もう長い間シリコンバレーに住んでいる。そして彼らは求職者が持つスキルと経験を、彼らの希望と雇用者候補のカルチャーに対してより効率にマッチさせる方法があるに違いないと考えたのだ。

「私はおそらく、私の部門に500人ほどを雇い入れました」とLiuはTechCrunchに語った。彼はGoogleで8年間を過ごし、Project Fi(Googleの格安SIMプロジェクト)のエンジニアリング責任者となった経験をもつ「そこで雇用が難しいことを学びました」。

「学び、協力し、統率力を発揮する能力は、強いアピールポイントとなりますが、それをインタビューから読み取るのは至難の業です。好奇心や動機なども、インタビュープロセスの中では多くを測ることはできません」と彼は付け加えた。

Leap.aiは18カ月前に設立され現在10人のスタッフを擁している。候補者のより完璧なキャリア志向を様々なデータを駆使して組み上げるが、使われるデータとしては例えば、就労履歴、様々な資格やスキルといった普通のものから、個人的興味、この先のキャリアに対する希望などまでが勘案される。そのプロセスの一部には、「理想」の雇用主と自身の理想とする役割のマッピングも含まれる。

そこからシステムは、DropboxやUberなどを含む(Leap.aiの常連客である)雇用者側と、求職者をマッチングする。求職者が働くことを熱望する候補の会社の名前を2つ挙げて貰うことで、Leap.aiは少なくとも1つの企業とのインタビューは保証できると考えている(特に希望対象がスタートアップでGoogleのような巨大企業ではなかった場合)。

なぜなら、企業は自身の文化に合った候補者に本当に価値を置いていて、財務的利益を超えて彼らを採用する意欲があるからだ、とLiuは説明する。

「ご存知のように、LinkedInは(人を集めるという)最初の問題は解決しました。しかしひとりひとりがどのように優れていて、どのように組織にフィットするかは、ずっと難しくて、ずっと価値がある問題なのです」と彼は語った。

Leap.aiサービスはまた、求職側や求人側から収集したデータに基づいて、候補者が働くのに適している場所について個人的な提案を行なうサービスも提供する。

これまでのところ、得られた結果は印象的なものだ。同社は、雇用が成立したときにのみ報酬を受け取るが、Liuは8月には利益が出るようになると述べている。現在までに、提供されたマッチングのうちの70%で、対象企業の(少なくとも)最初のインタビューはパスしている。

現在は、ニューヨーク、ボルダー、オースティン、シアトル、シリコンバレーの候補者に焦点を当てているが、米国内と海外の両方に、その範囲を広げようとしているところだ。これは、現行の50以上の顧客からの要請によって推進されている部分もある。Liuによれば、Leap.aiは現在、インドや中国の会社からの興味が大きく高まっていることを感じているそうだ。この両国の会社の中には、海外から故国に帰り、ハイテクプロジェクトで働きたいと思う海外居住者を探そうと考えるものが増えつつある。

すでにLeap.aiは、そうしたアジア系企業による米国での雇用を支援するための専用機能を構築している他、中国を起点にローカル採用オプションを試す予定だ。

中国でのネットワーク公開の準備は進んでいる。Leap.aiの創業者たちは、Googleの中で腕を磨いた中国人エンジニアとしての地位の他に、中国のトップテクノロジーVCの1つであるZhen Fudから支援を受けている。これはこれまで調達した240万ドルのシード資金の一部を構成している。

「私たちは積極的に中国でのチャンスを模索してはいますが、中国に進出する前に米国で確固たる地位を確立したいと考えいます」とLiu。「創業当初から、米国、中国、インドを目標として置いていました」。

同社の野望は単に雇用を支援するだけではなく、LiuとZhouがGoogleに参加していたときのような、メンターシップを再現することも考えている。すなわち、若い被雇用者たちが、キャリアゴールを設定しその野望を達成するためにステージからステージへの移動を描き出すことを助けるということだ。それは現在の会社の中での新しい役割かもしれないし、どこか外へ出て実現されるものかもしれない。

プロダクトの観点からみれは、これは人びとがずっと一定のキャリアコンパニオンとして使い続けるリソースとなることを意味する。既にスタートアップのアプリは、単なる就職活動を超えて、既にキャリアや個人の開発にむけて焦点を当てていて、この先更に深みが加えられていく予定だ。

「私たちはGoogleで積極的にメンタリングを行ってきました」検索の巨人で10年近く働いていたZhouはそう語る。「長期的観点でのキャリアの成功を助けたいのです」。

その成功の尺度として、同社はスタッフの半分以上を自社のサービスを通して雇用している。そして今は、自分たち以外の世の雇用者と従業員の双方にもメリットを与えられことを望んでいる。

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(翻訳:Sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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