噂の中心地は相変わらずウェブとモバイルだが、こと宣伝費となると伝統メディアが牛耳っている。
Strategy Analyticsは、米国における広告費の最新データを公開し、それによると総額約1870億ドルのうち、デジタルの占める割合は、30%にも満たない ― 正確には28%、528億ドルで、テレビ広告費に300億ドル近く水をあけられている。しかし、今年の伸び率は2014年より2.5%増の13%で、デジタルは他のどのカテゴリーよりも急成長している。
一方テレビは、2015年も広告費の最大シェアを占め、42%、790億ドル近い出費が予測されている。印刷はデジタルに次ぐ第3位で、15%、280億ドル。紙ベースの広告は、今年唯一減少が見込まれている部門であるとアナリストは書いている。2014年にも1.8%減少していた。
デジタルの成長はどのカテゴリーよりも大きいが、低迷する広告業界全体を引き上げるにはいたらず、2015年の成長率は3.2%に留まると予測されている。
「デジタルの最大の努力にもかかわらず、伝統的広告の減少によって2015年の米国全体の広告費は大きな伸びを期待できず、目に見える成長は大統領選挙とオリンピックのある2016年まで待たねばらなないだろう」とアナリストのMichael Goodmanは書いている。
Goodmanは、ソーシャルメディア ― FacebookやTwitter等のサイトにおける広告 ― は今年最も大きく31%成長し、ビデオ(29%)とモバイル(20%)が続くだろうと言っている。検索 ― そしてGoogle ― は今年も広告費の最大シェアとなり、全デジタル広告売上の45%を占める見込みだ。
長期的に見ても、同じ傾向は今後3年間続くと見られる。
「2018年までに、テレビ広告費シェアは40%まで下がり、一方デジタルは35%へと伸びるだろう」と共著者のLeika Kawasakiは言う。「しかし、テレビのシェアの減少は、テレビ広告の流出というよりも、印刷とラジオからデジタルへと広告費が流れる結果だ。ABC、NBC、MTV等のテレビ局は、実質的な収益減となることはなく、テレビ広告からオンラインビデオへのシフトが見られるだけだろう」。同じくデジタル部門の中では、ソーシャルメディアが抜け出し、82億ドルを占めてモバイル広告74億ドルとの差を広げるだろう。
Kawasakiは、印刷媒体を「最大の犠牲者」と呼んでいる。2018年末にも200億ドル以上の売上をもたらすとされてはいるが、2007年の水準と比べれば1/3以下だ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)