特許は、一部の企業の利益のための濫用(と誤用)が元となって、謂(いわ)れのない非難を受けるときもあるが、それでもなお、あるテクノロジー企業がどれほどR&Dで先行し、イノベーションを推し進めているかを知るための指標となる。そうした先進性の指標の1つとして、特許分析会社のIFI Claimsが、2017年に最も多くの米国特許を取得した企業のリストを発表した。
リストの最上位に載ったのは、再びIBMである。これは25年連続のことである。同社は2017年に9043件の特許を取得したが、それは2016年に取得した数を1000件上回り、2位に付けているSamsung Electronicsよりもおよそ3300件多い数字である。
上位10社として3位以下に続くのは、Canon、Intel Corp、LG Electronics Inc、Qualcomm Inc、Google、Microsoft、Taiwan Semiconductor Manufacturing Co (TSMC)、そしてSamsung Displayである。
IFIによれば、生産台数という意味で世界最大手の携帯電話メーカーであり、巨大なテクノロジー会社であるSamsungは、関連会社の特許全てを合わせると、IBMにあと150というところまで肉薄している(トップ1000には3つ入っているが、それはここで見ることができる)。
もちろん、特許はその会社の命運と直接関係している訳ではない。なぜなら特許が取得された、イノベーションの最先端にある技術は、おそらくこれまでに商品の世界では目にしことがないようなものだからだ。
そして実際、世界で最もリッチで最も利益を挙げているテクノロジー企業の1つであるAppleは、トップ10には入っていない。昨年のAppleは11位にとどまり、2229件の特許を獲得した。もう1つのテクノロジーの巨人Amazon――eコマース、ロジスティクス、クラウドサービス、そして近年は音声AIイノベーションでのリーダーシップで主要なブランドとして認知されている――は順位を1つ上げて13位となり、1963件の特許を取得している。
以下にトップ20を示した。
IFI Claimsの報告書はまた、技術という面に関して、広く世界で最も大きな話題(あるいはVC資金調達または販売)を集めたテーマが、必ずしも特許を最も獲得している、あるいは最も成長しているトップ技術と同じであるとは限らないことを強調している。
アナリストによると、特許の伸び率という意味では、2017年のトップテクノロジーは、電子タバコ関連で、45パーセントの伸びを示した。それに続いているのは3Dプリントで(GEがそのほとんどの特許を押さえている)、その次が人工知能に関連した対になったテクノロジーの、機械学習と自動運転車だ。IBMはこれらのそれぞれに最大数の特許を出願した。他の急速に成長している分野としては、飛行ドローンとフードテックが挙げられる。
出願された特許のうち、最も人気のある分野は、「電子デジタルデータ処理」の一般的な領域が最も多く、合計で4万8935件が取得されている。このカテゴリは、ハードウェアとソフトウェアの両方を対象とし、データ転送の様々な方法に関連している。IBMはこのカテゴリーでもリードしている。
トップ5のカテゴリーリストを考えてみることで、世の中のテクノロジーの概観と、現在製品という意味でどんなものに興味が抱かれているかを見て取ることができる。
最も多くの特許が出願された、他の4つのカテゴリーは以下のようなものだ:「電気通信などのデジタル情報伝送」、半導体、無線コミュニケーション、そして映像コミュニケーション(テレビのようなものだが、ビデオや写真アプリなども含まれる)である。
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(翻訳:sako)