2020年に再び盛り上がる特別買収目的会社上場、今度はEVメーカーLordstown Motorsが株式公開

2020年6月にピックアップトラックのプロトタイプを発表(未訳記事)した、創業1年目のオハイオ州の電気自動車(EV)メーカーであるLordstown Motors(ローズタウン・モータース)が、16億ドル(約1690億円)の評価額を持つ特別買収目的会社(SPAC)のDiamondPeak Holdings Corp(ダイアモンドピーク・ホールディングス)との合併契約を交わした。

この契約は、Lordstown MotorsがSPAC(別名ブランクチェック企業)との合併契約を通して上場企業になることを意味している。他のEVメーカーであるMikola Motor(ニコラ・モーター)や Fisker Inc.(フィスカー・インク)も、ここ2カ月のうちにSPACを介して公開企業になっている。またオンライン中古車市場のShift Technologies(シフト・テクノロジーズ)や、センサー企業のVelodyne Lidar(ベロダイン・ライダー)も、SPACを利用して従来のIPOパスを回避し、公開にこぎつけた。

今回のSPACの場合、合併後の会社は新しいチッカーシンボル、RIDEとしてナスダックに残る。DiamondPeak Holdings Corp.自身は、これまでティッカーシンボルDPHCとしてナスダックに上場されていた。

同社は、ゼネラルモーターズからの7500万ドル(約79億円)の投資を含む私募増資(PIPE)で、5億ドル(約529億円)を調達できたという。参加したその他の機関投資家はFidelity Management&Research Company、Wellington Management Company、Federated Hermes Kaufmann Small Cap Fund、そしてBlackRockが管理するファンドやアカウントなどだ。

合併手続きは2020年の第4四半期に完了する予定だ。合併後の新会社の取締役会には、Lordstownの創業者兼CEOであるSteve Burns(スティーブ・バーンズ)氏と、DiamondPeakの会長兼CEOであるDavid Hamamoto(デビッド・ハマモト)氏が参加する。

SPACは何十年も前から存在しており、これまで「ブラインドプール」「クリーンシェル企業」「ブランクチェック企業」など、さまざまな名称で呼ばれてきた。SPACは一般市場から資金を調達して民間企業を買収する以外には、明確な事業計画や目的を持たない企業だ。SPACは2020年になって、特に第2四半期からこの第3四半期にかけて再び増加している。

Lordstownは、このような若い会社にしては興味深い歴史を持っている。Lordstown Motorsはバーンズ氏の経営する他の公開企業であるWorkhorse Group(ワークホースグループ)から分かれた企業の1つだ。Workhorse Groupはバッテリー式電動輸送技術企業である。Workhorseは1998年に設立された小さな会社で、さまざまな点で財政的に苦労している。その派生会社であるLordstown Motorsは、請負業者や商用市場の顧客を対象とした、Enduranceと呼ばれる電動ピックアップトラックのプロトタイプ(未訳記事)を発表した。

計画では、この電動商用トラックを2021年の後半からオハイオ州ローズタウンにある旧GM組立工場で、年間2万台の規模で生産する予定だ。Lordstown Motorsは、2019年11月にGMから620万平方フィート(約57万6000平方メートル)の工場を買収した。

合併後の会社は、SPAC取引から得られる約6億7500万ドル(約714億円)を、Enduranceの生産に供給する予定だ。バーンズ氏によれば、トラックの発表以来、同社は14億ドル(約1480億円)相当の予約注文(約2万7000台分)を受けているということだ。

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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