モバイルデータ分析会社App Annieの年末推計によると、2020年に消費者はApple(アップル)のApp StoreとGoogle Playで前年比10%増の1300億回アプリをダウンロードした。この2つのアプリストアでの消費額は、年末までに前年比25%増の1120億ドル(約11兆7000億円)に達するとApp Annieは予想している。
通常、ダウンロード回数の増加は主に新興マーケットが主導するが、2020年は状況が異なる。
新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックのために、モバイルの浸透が2、3年分加速した。その結果、消費者は仕事、教育、エンターテインメント、買い物などのためのデジタルソリューションとしてアプリに向かった。これが、モバイルマーケットの成熟にもかかわらず、ダウンロード回数やモバイル使用時間、消費額の増加につながった。
Google Playの2020年のダウンロード回数はiOSを160%上回った。しかしいずれも10%の増加だ。一方、ダウンロード回数におけるゲームのシェアは40%増えた。Google Playでは全ダウンロード回数におけるゲームの割合は45%で、前年より5%増えた。しかしiOSでのゲームの割合は30%を維持した。2つのアプリストアでの消費額に関しては、1ドルあたり0.71ドルがゲーム関係だった。
また新型コロナのために消費者はこれまで以上にデバイスを使用した。Androidの使用時間は2019年比25%増の3兆3000億時間だった(App AnnieはiOSデバイスの使用時間は測定できない)。
デバイス使用時間の増加は消費額の増加につながり、2020年は過去最多の1120億ドル(約11兆6800億円)となった。1ドルあたり65セントがiOSでのものだが、Google Playでの支出額は引き続き増えている。今年は30%近くになるとApp Annieは予想している。
iOSでの消費額が多かったマーケットは米国、日本、英国だ。このリストは2018年と2019年のものと異なる。過去2年は米国、中国、日本だった。Google Playの方のリストは米国、韓国、ドイツだった。過去2年と比較すると、成長という点で韓国とドイツは日本と英国の座を奪った。
App Annieのレポートではまた2020年のトップアプリのリストも紹介され、TikTokがダウンロード回数において第1位、消費額で第2位だった。しかし、月間アクティブユーザー数においてはFacebook(フェイスブック)には敵わなかった。ロックダウンにもかかわらず、デートアプリTinderが消費額で第1位だった。
InstagramやMessenger、WhatsAppといったフェイスブックのほかのアプリはダウンロード回数やアクティブユーザー数のチャートで上位を維持した。新型コロナのおかげでZoomはダウンロード回数のチャートで第4位に入った。Appleがこのほど発表したように、iOSではZoomはダウンロード回数第1位で、TikTokがその後に続いた。Google Meetもランクインし第7位だった。
App Annieが発表したこうした数字がモバイルマーケット全体を表しているわけではないという点は注意すべきだろう。というのもこのレポートは中国のサードパーティのアプリストアをカバーしていないからだ。中国の数字は、年初めに発表されるApp Annieのより広範をカバーしている「State of Mobile」レポートに含まれている。
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(翻訳:Mizoguchi)