2021年の黒字化を目指すLyft、90人レイオフ報道で株価1.5%下げ

人気のライドシェアリング企業、Lyft の株価が 1.5%下がった。これは同社がレイオフを計画しているとNew York Timesが報じたことを受けたものだ。TechCrunchの取材にLyftは計画しているリストラによって90人が影響を受けると認めた。同社の株価は報道の後、3%下がった後で持ち直した。

Lyftは声明で「慎重に検討した結果、2020年のビジネス上の目標を達成するためには部門(複数)のリストラが避けられないことが判明した。しかし当社は依然高成長を続けており、今年だけで新たに1000人を採用する計画だ」と述べた。

LyftはライバルのUberと激しく競争しており、これまでのようにベンチャー資金を大量に燃焼させて赤字を重ねる経営を改めて黒字化を達成しなければならないという強い圧力を受けていた。

直近の決算報告である2019年第3四半期決算でLyftは「2021年第4四半期には調整済みEBITDAでの黒字化を達成する」と黒字化の時期をそれまでより前倒しした。Lyftの上場時売出し価格は72ドルだったが、その後低迷を続け現在は47ドル台だ。

同社によれば、マーケティングとエンタープライズセールス部門が今回の見直しの対象組織だという。

Lyftの最大のライバル、Uberも最近数カ月で米国内でレイオフを実施している。他のユニコーン(会社評価額10億ドル以上のスタートアップ)も最近次々にレイオフを行った。投資家のマインドが変化し、赤字の累積に厳しい目を向けるようになってきたためだ。どれほど巨額の赤字が積み上がっていようと急成長のためには惜しみなく投資するという太っ腹な時代は過去のものになった。今や赤字幅の急速な圧縮、それどころか黒字化をもたらすような急成長が求められている。

8四半期のうちに調整済みEBITDAで黒字化するという約束を掲げたLyftもその例に漏れない。次の四半期決算の発表に向けて容赦なく時計の針が進んでいる。

Lyftは直近の四半期決算で赤字幅の圧縮に成功している。赤字額は2019年第3四半期には1億2160万ドルで2018年第3四半期の2億4530万ドルから半減している。同時期に売上は5850万ドルから9556万ドルにアップした。総コストでのLyftの赤字が累積を続けた。特に 2019年の第3四半期にはストックオプションなど株式ベースの報酬支払いに加えて保険関係の費用増大も8660万ドルに上った。調整済みEBITDAにせよGAAPベースにせよ、これを改善と見るかどうかは投資家次第だ。しかし同社の営業キャッシュフローはこの時期に間違いなく改善されている。

2019年第3四半期の調整済みEBITDAベースの赤字は1億2810万ドルで、もちろんゼロからは遠い数字だが、上で触れたように前年同期と比較すれば半減していた。

Lyftは2019年第4四半期の決算を2週間後の2月11日に発表する予定だ。赤字幅の圧縮がさらに進んでいるかが注目される。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

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