シリーズCで1億ドル(約107億円)を調達したばかり(未訳記事)の、分子診断のスタートアップであるCue Healthに、さらに良いニュースが届いた。同社の迅速なポイントオブケア用の新型コロナウイルス(COVID-19)検査に、FDAの緊急時使用認可(EUA)が下りた。Cue Healthは2020年3月にBARDAから、迅速診断の開発と展開を拡大するための補助金1300万ドル(約14億円)を受けており、現状のパンデミック下において同社の新型コロナ検査は重要な案件になっている。
Cueの検査は持ち運ぶことが可能であり、RNA検出法を使って、患者の鼻から綿棒で得た検体からウイルスの実際の存在を確認する。同社によると、結果はわずか25分間で得ることができ、管理も比較的容易だ。現在のパンデミックと今後の世界的な健康危機が続く中で、新型コロナ検査の規模を容易に拡大していく上で非常に有用な可能性を秘めているという。
Cue Healthの検査キットには、検体収集ワンドや検査カートリッジが含まれる。カートリッジをスマートフォンのアプリに接続して、検査結果をデバイスに送信する。FDAのEUAの認可条件としては、検査がプロフェッショナルのヘルスケア有資格者の監督の下で行われる限り、その検査はどこでもできるものでなければならない。Cueによると現在同社は、使用認可拡張の申請を検討している。すなわちその検査を、職場や学校、家庭などでもできるようにしたいと考えている。
同社によると、Cue Healthの新型コロナ検査は当初、大手医療機関とのパートナーシップにより展開され、そこからさらにさまざまな医療機関に拡大していく計画だという。同社の最終的な目標は、必要とされるあらゆる環境で柔軟に展開、実施できる分子診断による検査をインフルエンザといった新型コロナ以外のウイルスにも広げることだ。
画像クレジット:Cue Health