31万名超が参加登録する競技プロのAtCoder、実践を想定したプログラミング検定「アルゴリズム実技検定」実施日程を発表

競技プロのAtCoder、1からプログラムを作成する能力を問う「アルゴリズム実技検定」実施日程を発表

競技プログラミング(競プロ)コンテストサイト「AtCoder」などを手がけるAtCoderは1月28日、「アルゴリズム実技検定」の2022年実施日程を発表した。受験費用は、一般8800円/人(税込)。30名以上の団体受験の場合は7040円/人(税込)。100名以上の団体受験は6160円/人(税込)。

アルゴリズム実技検定は、「アルゴリズムをデザインし、コーディングする能力」、つまり1からプログラムを作成する能力を問う、実践を想定したプログラミング検定。「知識型ではない」「受験者が得意なプログラミング言語を選べる」「アルゴリズム設計力・実装力を図る」という3点の特徴により、これまで定量的な把握が難しかったプログラミング能力を評価することが可能という。

同検定は、自宅や職場からオンラインで受験でき、期間内ならいつでも好きな時間に受験できる(試験時間は試験開始から5時間)。受験を希望する者は、「アルゴリズム実技検定ページ」から申し込む。

なお、第10回試験から受験期間を約3カ月間に延長し、年間を通じていつでも受験できるように変更している。

2022年の実施日程(すべてオンラインで受験可能。試験時間は受験開始から5時間の予定)

  • 第10回:2022年3月5日13:00〜6月3日23:59
  • 第11回:2022年6月4日13:00〜9月2日23:59
  • 第12回:2022年9月3日13:00〜2022年12月2日23:59
  • 第13回:2022年12月3日13:00〜2023年3月3日23:59

またアルゴリズム実技検定では、15問(1問目=9点/2~3問目=8点/4~6問目=7点/7~15問目=6点。100点満点)の問題が出題され、獲得した点数に応じ5段階でランクが認定される(認定証が発行される)。ランクは、エントリー(25~39点)、初級(40~59点)、中級(60~79点)、上級(80~89点)、エキスパート(90~100点)。競技プロのAtCoder、1からプログラムを作成する能力を問う「アルゴリズム実技検定」実施日程を発表競技プロのAtCoder、1からプログラムを作成する能力を問う「アルゴリズム実技検定」実施日程を発表

求められるスキル水準

  • エントリー:標準入出力や、整数型、文字列型の扱い、forやifなどのループや条件分岐といったプログラミングにおける基本的なロジックについて、問題に合わせて適切に組み合わせる能力が問われる
  • 初級:エントリー要件に加え、多次元配列やリスト構造などを用いた、複雑性の高く、コーナーケースも多く含まれる、実装の難しいプログラムを組む能力が要求される。
    また、四則演算や簡単なデータの持ち方の工夫、ソートなどで解決可能な計算量を改善する能力も問われれる
  • 中級:初級の要件に加え、深さ優先探索や幅優先探索などを用いた複雑な全探索や、動的計画法や貪欲法・二分探索といった、高度な計算量の改善を要求する能力が問われる。例えばグラフアルゴリズムでは、最短経路問題や最小全域木などの有名な問題に対するアルゴリズム設計力・実装力が必要となる。
    また、確率や組み合わせを数理的に計算する能力も求められる。単に知識を問う問題ではなく、それらのアルゴリズムを正しく適用できるかが問われる
  • 上級:中級の要件に加え、出題される典型アルゴリズムが増加し、複雑性が増加した問題への対応力が問われる。動的計画法や貪欲法においても、単純に適用できるような問題ではなく、さらに工夫が必要な問題でのアルゴリズム設計力・実装力が必要。例えばグラフアルゴリズムでは、最小共通祖先や最大流問題や最小費用流問題などのより高度な問題に対して、適切にアルゴリズムを設計・実装する能力が問われる
  • エキスパート:出題されるアルゴリズムは上級と同様。アルゴリズムの適用難易度が高い問題への対応力が問われる

AtCoderは、日本最大級の競技プログラミングコンテストサイト「AtCoder」を運営。31万4070名(うち日本人は16万7537名)が参加登録し、毎週開催される定期コンテストには約1万1000名以上が挑戦するという。

その他にも、高度IT人材採用・育成事業として、コンテスト参加者の成績を8段階にランク付けした「AtCoderランク」を利用する転職・求職支援サービス「AtCoderJobs」や、IT人材のプログラミングスキルを可視化できる検定「アルゴリズム実技検定(PAST)」といったサービスを展開している。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。