ドローンでフェレットを救え―魚類野生生物局、ワクチンを塗ったM&Mキャンデーをモンタナ州で空中散布へ

It's the first time that I really can get such a cute ferret portrait!

いささか奇妙に聞こえるが興味あるテクノロジーの応用だ。アメリカ魚類野生生物局(FWS=U.S. Fish and Wildlife Service)はモンタナ州の僻地に住む絶滅危惧種のクロアシイタチ(フェレット)を救うために ドローンでM&Mキャンデーを散布することを計画している。

このイタチの主たる餌はプレーリードッグだが、その数が山林ペスト(sylvatic plague)のために激減している。この伝染病は1800年代にカリフォルニアに持ち込まれたネズミとノミによって媒介される。

これまで生物学者のチームは、一定のルートを徒歩で進みながら山林ペストのワクチンを塗ったキャンデーを撒いてきた。これは9-10メートルおきにワクチンを落としていくため、きわめて時間を要し、効率が悪い作業だった。チームは1時間に150から300粒ほどしか散布できなかった。

しかしFWSはドローンがきわめて効率的な散布装置になると気づいた。FWSが策定した計画によると、ドローンを用いることによって毎年1万エーカーの地域 を処理でできるとい。ドローンの操縦と空中散布はは民間企業に委託される。ドローンはプレーリードッグの生息地の上空を飛び、毎時最大3000個のワクチンを撒くことができる。これは人力の10倍から20倍の効率だ。

それではM&Mはなぜ必要になってくるのだろう? ワクチンはピーナツバターと混ぜられてM&Mに塗布される。The Guardianの記事によるとプレーリードッグはなぜか特別に.このチョコレート・キャンデーを好むのだという。

使用されるドローンの機種は決まっていないが、散布はこの目的のために改造した魚の餌のディスペンサーが用いられるはずだ。このディスペンサーは空中でワクチンを発射する。

この計画はまだ関係機関の最終的承認を受けていない。しかしこれまでに検討されたワクチン散布方式のなかで格段に効率的なのは間違いない。モンタナでのドローンの使用が成功を収めたら、野生動物を救うためのワクチン散布の標準的な方法になる可能性がある。

Featured Image: Tambako the Jaguar/Getty Images

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。