3Dプリントは消費者の家庭で毎年2000ドルの節約になる?

Michigan工科大学の研究者が発表した3Dプリンターが一般消費者の家計に与える影響を予測した研究はなかなか面白かった。それによると、3Dプリンティングを利用することによる消費の節約による利益は年間で最大2000ドルにも上るという。

その部分:

調査結果によれば、ユーザーが年間に特定の20品目しか出力しないというきわめて控えめな前提でも節約額は年間300ドルから2000ドルに上ると判明した。

この予測は「控えめ」と言っているが、かなり希望的観測が入っていそうだ。私自身、MakeXYZを使って数百ドル分のパーツを依頼者のために出力しているが、自分の家庭用としてはドライヤーのハンドル(20ドル)、ホースのクランプ(5ドル)、息子用のチェスのセット(5ドル)くらいだ。私のMakerbotはまだ元を取るところまで行っていない。まあ来年はどうかわからないが。

しかし3Dプリンティングの本当の影響は、短期的な節約の額にあるのではない。このレポートの結論にもこう書かれている。

潜在的にもっとも重要な影響は、 i)オープンソース3Dプリンティングによる分散マニュファクチャリングの急速な進展、ii) l大規模な普及にともなう消費者のライフサイクル志向へのシフト、iii) 小規模なコテージ産業の成長、iv) 手工業的生産技術教育の復活

この要約は的確だ。RepRapのような安価なオープンソースのデバイスが製造業を変貌させ、私のような1個人が他人の求めに応じてすてきな部品を作ってやることを可能にする。たとえば、上の写真のクアドラコプターの脚は私がAnthonyというMakeXYZユーザーの注文で出力したものだ。私は料金として40ドル請求したが、ホビーショップで買おうとしたらはるかに高くついたことだろう。Anthonyは脚を自分で設計し、私は自分のプリンタで出力した。そして私は自分の手間とプラスティック材料を少々の料金と交換することができた。これが3Dプリンタの製造業にもたらす驚くべき影響の第一歩だろう。

3Dプリンタは間違いなく家庭に普及する。それが家計にどれほどの節約をもたらすかは未知数だ。しかし3Dプリンタがわれわれと製造業との関係を長期的に大きく変えていくことになるのは疑問の余地がない。その点、この調査の結論は正しいと思う。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+