500 Startupsは1000万ドルのファンドでラテンアメリカへの投資を継続

500 Startups は、グローバル投資へのコミットメントを新たなラテンアメリカファンドによって積み増ししている。目標金額は1000万ドルでその名称はLuchadores IIというものだ。これはスペイン語でレスラーを意味する。このファンドは、500 Startupsによるこの地域を対象にした2番目のもので、欧州、アジア、アメリカの中で、不十分な対応しか行われていない市場を対象にして、その数を増やしつつあるシード投資の一環だ。

アクセラレーターは2010年以降、様々な形でラテンアメリカへの投資を継続してきた。新ファンドのマネージングパートナーであるSantiago Zavalaは、ラテンアメリカにおけるユニコーンの数を倍増させる希望を胸に、約120社のラテンアメリカの新星たちに投資を行う。

500 Startupsの創業パートナーであるDave McClureは、国際投資を通して得ることのできる利益に対して、長期間強気の姿勢を保っている。米国内での取引、特にシリコンバレーでの取引は、その競争力故にプレミアム価格が付き易いからだ。

「私たちは、追加投資では10倍の利益を得ることを目指しています」とMcClureは国際的な投資について語った。500 Startupsのラテンアメリカに対する投資は、追加を含めて9500万ドル以上に達する。

しかし、ラテンアメリカの新興企業への投資の課題は、彼らが強力なエコシステムのサポートを欠いていることだ。より大きなB、C、Dラウンドを、この地域で見かけることは少ない。また起業家向けエコシステムへの強みを持つローカルな買収者も限られている。

これこそ、International Finance Corporation(IFC)が、新しいファンドに対するリミテッドパートナーとして加わった理由だ。従来IFCは、より後段のステージの企業への投資を行ってきたが、過去2年以上に関しては、リミテッドパートナーとしてシードステージのファンドにも自ら関わるようになった。

「私たちは、すべての発展途上マーケットの中で、マイクロファンドの最高の種を見つけようと努力しています」と、語るのはIFCのVC投資グローバルヘッドのNikunj Jinsiだ。

McClureは、 Accel Partners、Index Ventures、Sequoia Capital、そしてTiger Globalの名を、スタートアップの立ち上げからエグジットのための国際的なパイプラインを構築しているファンドとして挙げた。

「それ以外のファンドは、始めるのが遅すぎましたし、既に出来上がった企業を相手にしようとしているのです」とMcClureは付け加えた。

ラテンアメリカの中には、他の地域よりも速く成長しているエリアが存在する。500 Startupsの拠点が置かれているメキシコシティは成熟しているが、他の都市ではまだ、強力なメンターネットワークやその他の必要なリソースが不足している。

500 Startupsは、シードプログラムを通じて、国際的な提携と共に強力な関係を保とうとしている。同社はスタートアップを指導するために、定期的に、様々な地域にパートナーを送り出して、海外の企業にシリコンバレーを訪問する機会を提供している。

McClureはコミットしていないものの、本日(米国時間3月15日)のラテンアメリカファンドのアナウンスは、アジアへの展開を強く匂わせるものだった。同社は最近、中国での存在感を増したところだ。とはいえ、まだ同地域内での特定のファンドについては発表されていない。

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(翻訳:Sako)

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TechCrunch Japan

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