5000万人のT会員情報を生かす、CCCの新ネットサービス「T-SITE」の狙い


CCCグループが運営するTSUTAYA onlineやDISCASなどを統合したネットサービス「T-SITE」が10月22日にオープンした。ネットメディア40媒体とも提携し、キュレーションメディアを展開。約5000万人が加入する「T会員」のデータベースから導き出された興味や関心をもとに、ユーザーごとにオススメの記事や商品を提案する。

T-SITEは、Tポイント連携店舗で購入した商品などに基づき商品をレコメンドしたり、記事の閲覧履歴によってレコメンドの精度を上げていく。例えば、60代男性に「仕事術」の書籍をオススメしたり、実際に需要はあるかわからないが、「京都在住」「オーガニックに興味のある人」が選んだ「J-pop」といったランキングを表示する。年代・地域・興味などの属性を掛け合わせて、合計360万通りのランキングをレコメンドできるという。

実際に興味を持った商品については、T-SITE上からTSUTAYA店舗の在庫を確認したり、ネット宅配レンタルのDISCASを注文したりと、さまざまな方法で購入できる。T-SITEを運営するT-MEDIA代表取締役社長の桜井徹氏は、22日に開かれた記者発表会で「CCCは代官山をはじめとするリアル店舗でレコメンドを行ってきた。T-SITEの立ち上げによって、ネット上でもお客様へのレコメンドを強化したい」と話している。

T-SITEに記事を配信するネットメディアは現在20媒体。10月22日時点では「マイナビニュース」「ギズモード・ジャパン」「ライフハッカー[日本版]」などがあり、11月以降は「ニューズウィーク日本版」「Pen Online」「東京カレンダー」といった媒体が追加される予定。同時に、自社で抱えるT-MEDIA編集部も月間800本のオリジナルコンテンツを作成する。

以下、実際のT-SITEの画面をもとに説明する。

T-SITEのサイトに入ると、画面右側に「あなたへのおすすめ」というランキングが表示される。このランキングは、とある30代女性のユーザーのトップ画面。T会員の情報をベースに、ユーザーが最も関心のありそうな情報を掲示しているわけだ。実際に僕(30代男性)がログインしたところ、T会員番号を入れただけで、「20代男性が選ぶディズニー映像」のランキングがタイムラインの一番上に流れてきた。

各キーワードをクリックすると、そのキーワードに関連するネットメディアの記事および商品が表示される。ここから各記事を閲覧したり商品を購入することが可能だ。

記事の右上の「+」ボタンもしくは文末の「お気に入りに追加」をクリックすると、その記事をクリッピングできる。このクリッピングによりさらにレコメンドの精度が高まるという仕組みとなっている。

こうしたレコメンドサービスのほか、T-MEDIAはベンチャー業界を盛り上げる施策「Tベンチャープログラム」も行うと発表。2014年11月6日には福岡市とも「STARTUP CAFE」というイベントを開催する。これに先立ち、10月31日には東京にて事前説明会を開催、その後福岡・大阪・京都にて順次説明会を実施予定だ。


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TechCrunch Japan

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