コスメのコミュニティアプリ「LIPS(リップス)」を運営するAppBrew(アップブリュー)は2月28日、Gunosy、グリー、ANRIおよび個人投資家らを引受先とした第三者割当増資を実施した。調達額は5億5000万円だ。
LIPSはユーザーが投稿したコスメ商品の口コミを閲覧できるコミュニティアプリ。他のユーザーをフォローできたり、口コミにコメントできたりといったSNSに近い使用感が特徴だ。アプリを通してコスメ商品を購入することもできるが、その場合はAmazonなど他のECサイトに遷移する。
LIPSのダウンロード数は、リリースから9ヶ月目にあたる2017年10月に30万件を突破し、翌年の2018年2月には55万ダウンロードを記録するなど、順調に成長を重ねているようだ。
AppBrewはプレスリリースのなかで、「(アプリの)急成長の背景には、若い世代を中心に購買の意思決定が『人ベース』に変化していることがあげられる。特に、若い女性にとっては、属性の近いユーザーやインフルエンサーから発信される情報が大きな影響力を持っており、購買行動を大きく左右している」と述べる。
LIPSのターゲットとなる世代は比較的早い時期からスマホに慣れ親しんだ世代。LINEなどメッセンジャーアプリの登場で友人らとこれまで以上に頻繁な意見交換ができるようになり、InstagramなどSNSの登場でインフルエンサーや有名人との距離が近くなった世界に慣れ親しんだ人たちだ。
「『コスメ選び』の文脈における口コミの価値が最大限に発揮されるよう、日々企画・開発を進めていく」と述べるAppBrewは、今回調達した資金を、アプリの開発、人材採用、マーケティング費用などに充てるという。また、同社は2018年よりタイアップ広告とサンプリングサービスの販売も開始している。現在、すでに10社以上の導入実績があるということだが、今後もパートナー企業の募集を続け、販路を拡大していく方針だ。
AppBrewは2016年2月の創業。2017年10月には今回のラウンドにも参加したANRIなどから7600万円を調達している。