75万人が利用するSlackの評価額は28億ドルとなり、1億6000万ドルを調達

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SlackはFlickrの共同ファウンダーStewart Butterfieldが創業した、職場のコミュニケーションとコラボレーションを促進する人気サービスを提供している。今日、彼らは最新ラウンドの資金調達を完了したことを発表した。シリーズEとなる今回、1億6000万ドルを調達し、投資後の評価額は28億ドルとなった。これは私たちや他社でも報じたように、評価額は20億ドルを超え、資金調達を行っているとした内容と合致している。今回の評価額は、2014年10月の11億2000万ドルの評価額 から大幅に上昇した。

私たちが新しく得た資金を何に使用するかについてButterfieldに聞いた所、彼は「銀行口座に入れておきます」と答えた。それどころか、昨年10月に調達した1億2000万ドルにもまだ手を付けていないと彼は言う。

ならなぜこの時点で資金調達を行ったのか?彼らにはそれができるからだ。「長期的なことを視野に入れています」とButterfieldは言う。「私はこの業界に20年いますが、資金調達を行うのにこんなに適した時期はありませんでした。この評価額を得て、1億6000万ドルを受け取らないのは、逆に無責任です」。

今回のラウンドには、Horizons Ventrues、Digital Sky Technologies (DST Global)、 Index Ventures、 Spark Capital、 and Institutional Venture Partners (IVP)が新しく参加している。以前にも投資をした、Accel Partners、 Andreessen Horowitz、 The Social+Capital Partnership、 Google Ventures、Kleiner Perkins Caufield & Byersも全社参加している。これまでSlackは累計3億4000万ドルを調達した。

Slackは投資家や更には一般の人に至るまで、多くの関心を集めている。それにはいくつか理由があるが、2つの大きな要因がある。Slackのコミュニケーションプラットフォームにユーザーを惹きつけ、ユーザー数が急伸していること。そして、もう一つは、惹きつけたユーザーを離さないことだ。メモや文書やその他の情報をSlackで仲間と共有している人は、Slackを多用することになる。Slackには有料サービスを使用するユーザーが20万人いる。(これは20万人分という意味で企業数ではない。)主なクライアントは、Adobe、 New York Times、 Blue Bottle Coffee、 BuzzFeed、 Live Nation、 Expedia、 HBO、 PayPalや米国国務省などだ。

Butterfieldは、彼らの戦略は他のスタートアップや成熟した非上場テック企業の全てに当てはまるものではないと考えている。高い評価額で資金調達を行うことは、何をしているかをしっかり理解していない限り、リスクであると話す。「自社のビジネスモデルやコンバージョン率に対して、センスを磨いていない人は慎重に考えなくてはなりません」と言う。「私たちはサービスが上手くいくかを検証するために16ヶ月分の運用費を調達したのではありません。私たちは、将来、状況が変動することへのリスクヘッジのために資本を持つのです」。

将来の状況とは具体的に、企業買収やカスタマーのリテンション率を高めるための出費などだと言う。「銀行に資金がある状態はとても良いものです」と彼は言うが、これが具体的に特定の企業を買収することを視野に入れているということでも、リテンション率が揺らいでいるということでもないそうだ。Slackの有料プランを購入した98%の人は、まだ継続的に支払っている。

メッセージの容量を増やすなどの機能を追加するために、有料プランに移行するユーザーの割合は、料金体系を発表した当初からさほど変動していない。

Slackは現在125人の従業員を抱えている。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ facebook

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TechCrunch Japan

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