Aereoのサービスがニューヨークでは全容量売り切れ…目下拡張工事中

アメリカ人のテレビの見方を変えようとしているテレビストリーミングサービスAereoの、ニューヨークのユーザために用意していた全容量が売り切れた。

ファウンダでCEOのChet Kanojiaが、このニュースをTwitterで確認した。

同社は2011年ににニューヨークをパイロット市場として立ち上がり、これまでに計11の市場に展開してきた。全国ネットワークの既存テレビ局には憎まれる存在となり、ユーザ消費者にはリモートのミニアンテナを提供するという形で、テレビのOTAシグナル(無料で受信できる空中の放送電波)をとらえ、それらをインターネットに接続された受像機器へとストリーミングした。

しかもユーザは、AereoをリモートのDVRとしても利用でき、放送のリモート受信も含めて料金は月額わずか8ドルだ。

しかしAereoはこれまで、この種のビジネスの合法性を立証しようと苦労を重ねてきた。個人が兎の耳(型のテレビ受信アンテナ)を使ってテレビ放送を見ることが合法的であるように、Aereoのユーザが自分専用のレンタルのリモートアンテナを使ってテレビを見たり録画することも合法的であるべきだ、とAereoはかねてから主張してきた。

しかし、一つのアンテナで受信した信号を複数へ送信すると違法になる。そこでAereoは、そのサービスのユーザ個々にアンテナを提供しなければならない。そのため今回は、ニューヨークではもうこれ以上新規ユーザに対応できません、という状態になったのだ。

電力の問題という報道もあったが、それは誤報で、私がファウンダのChet Kanojiaから直接聞いたところによると、今、今後の新規ユーザに対応できるべく、容量の拡大に努力している、という。

だからこれは深刻な問題ではないが、同社の今後の課題は、容量拡大を迅速に行える技術と体制の整備だろう。それなくして、同社の成長はありえない。

放送企業はニューヨークでAereoが売り切れ(==大繁盛)と聞いて、不愉快だろう。彼らはAereoの立ち上げ以来、同社をいじめつづけてきた。最初はニューヨークで訴訟を起こし、次はボストンに飛び火、それからユタ、そして最近では、最終的裁定のために最高裁が乗り出してきた

これまでの地方レベルの判決を見るかぎり、Aereoは最終的にも勝訴すると思うし、テレビの見方の革命をこれからも拡大していけるだろう。番組のパッケージに対して料金を払わなければならないし、オンデマンドでもマージンを取られる、これまでの(ケーブル企業経由の)テレビの見方に、アメリカ人はおさらばできるのだ。

Aereoは、こんな公式声明を出している:

幸運にも弊社のすべての市場で堅調な成長が続いている。弊社のチームは今、全員残業体制で既存市場の容量拡大に努めている。拡張工事が終わり次第すでに申し込んでおられるお客様にはご通知申し上げるので、あらためてサインアップし、Aereoのアカウントをお作りいただきたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))