AIを用いたタブレット学習教材「Qubena」提供元が総額2.2億円の資金調達、対応教材の拡充へ

人工知能を用いたタブレット学習教材「Qubena(キュビナ)」を提供するCOMPASSは3月29日、7人の個人投資家を引受先とした第三者割当増資により総額2.2億円の資金調達を実施したことをあきらかにした。同社はこれまで、2015年6月にインフィニティ・ベンチャー・パートナーズと個人投資家から4000万円を調達している。

Qubenaは生徒がタブレットに入力する「解答」やそれに至るまでの「プロセス」といった学習に関するあらゆる情報を収集し解析することで、個々に最適な指導を行っていくことを目指す人工知能を用いたタブレット教材。1人の先生が多数の生徒に授業をする従来のスタイルでは難しかった「1人1人の理解度に合わせた授業や問題の提供」という課題を、テクノロジーとタブレットを駆使することで解決しようというサービスだ。

現在は数学・算数に特化して提供。中学生向けの数学教材に加え、2017年3月30日から小学校高学年(4年生〜6年生)向けの算数メニューを新たに提供開始。今後は2017年夏の提供を目標に小学校低学年向け、高校生向けの教材も開発を進めていく。

同サービスは自社で展開している学習塾「Qubena Academy」のほか、全国の学習塾でも徐々に導入が進んでいるという。

COMPASSによると「教育の現場では、高校生で7割、中学生で5割、小学生で3割の生徒が授業内容を理解できておらず、特に積み重ね学習が重要な算数・数学は理解の遅れを取り戻すのが難しい」現状があるという。本来であればつまずいた箇所についてマンツーマンで指導を受けるのが理想だが、人件費などの事情もあり対応が難しいのが実情だ。

同社は設立後、自社で学習塾を運営していたがこの課題に問題意識を持ち、Qubenaを開発。さらに同サービスを活用しマンツーマン指導を低コストで行うQubena Academyを開校するに至った。同校に通う生徒は、中学3年間の数学の学習範囲を、平均でわずか9ヶ月で修了しているという効果もでているそうで、今後もサービスの改善や対応する教材を増やしながら「子供たちが効率的に学習を進めて行ける環境」を整えていく。

COMPASSは2012年12月の設立。代表取締役の神野元基氏はシリコンバレーで感情センシングサービスを開発するスタートアップを起業したのち、日本でCOMPASSを創業した。

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TechCrunch Japan

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