Airbnbがホテル直前予約サービスのHotelTonight買収へ

ツリーハウスやちょっと変わった家以上のものを扱う宿泊プラットフォームを拡大中のAirbnbは、この業界でさらに飛躍しようと準備を整えている。

今日、Airbnbは旅行者が直前に宿泊場所を探せるホテル予約アプリのデベロッパーであるHotelTonightを買収する意向を明らかにした。この買収についてはウォール・ストリート・ジャーナルが1月に報道し、その記事では交渉は「冷え切っている」と書いていた。

Airbnbの共同創業者でCEOのBrian Chesky氏は具体的なタイムラインを明かさないが、同社は今年なるべく早く株式公開を完了させる見込みだ。Uberが最大の輸送会社になることを計画しているように、Airbnbの長期的な野心は、部屋のシェアリング、ホテル予約、出張手配、旅先での体験などを扱う総合的な旅行プラットフォームにすることだ。

Airbnbは、HotelTonightの買収金額は明らかにはしなかった。買収手続き完了後、HotelTonightのアプリとウェブサイトは独立して運営されるが、HotelTonightの共同創業者でCEOのSam ShankはAirbnbの宿泊部門の責任者Greg Greeleyに報告する体制となる。

「素敵なホテルの部屋をオンデマンドで予約するいい方法があれば、と考えている人がいることを知り、我々はHotelTonightを立ち上げた。そしてこのサービスをAirbnbとともに世界中のゲストに届けることを楽しみにしている」とShankは声明で述べている。「HotelTonightとAirbnbが一緒になることで、ゲストにより多くの選択肢を提供でき、また世界で最もいいブティックホテルや独立したホテルにとって、我々はゲストとつながるためのパートナーとなる」。

2010年に設立されたサンフランシスコ拠点のHotelTonightは、PitchBookによると2017年にシリーズEで3700万ドルを調達し、評価額を4億6300万ドルとしている。HotelTonightは、ほぼ毎回のラウンドに参加しているAccelとBattery Venturesからベンチャーキャピタル投資で累計1億3100万ドルを調達している。他の初期投資家にはForerunner VenturesとFirst Round Capitalがいる。

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一方のAirbnbは2017年に10億ドルを調達し、評価額は310億ドルとなった。1月、同社はEBITDAベースでこれまでに二番目の儲けとなったと発表した。

HotelTonightは、米国、欧州、オーストラリアのホテルの割引を提供している。ビジネス客や直前の宿泊予約をしたい人向けに空室を提供するためにホテルと提携している。今回の買収で、Airbnbのユーザーは何週間あるいは何カ月も前に計画を立てなくてもホテルを予約するのが容易になり、Airbnbにとっては短期貸しのホストとそのゲストというコミュニティを拡大させることになる。

Airbnbは2018年初めにプラットフォームにブティックホテルを加え、急成長させた。同年には扱うブティックホテル、B&B、ホステル、リゾートの数が倍以上になったとのことだ。Airbnbの出張部門Airbnb for Workもまた短期で成功を収めている。2014年に立ち上げられ、今や全予約の15%を占める。現在Airbnbは191カ国で計500万もの物件を扱っている。

Airbnbは2019年に入って続けざまに買収している。1月には、会議やビジネスに関するイベントのためのスペースを貸し借りできるマーケットプレイススタイルのプラットフォームを提供するデンマークのスタートアップGaestを買収した。この件でもAirbnbは買収額を非公表とした。しかし、Gaestが自己資本350万ドルの調達だったことを考えると、HotelTonightの買収額には劣る。

2019年はユニコーン企業のIPOが多く控えている。これらのいくつかは、年初にあった数週間にもわたる政府閉鎖で遅れることが見込まれている。最近フォームS-1を公開したLyftは、株式市場へとエグジットする今年初の10億ドル企業となる準備が整っていて、その後にUber、Slack、Pinterestと続く。Airbnbはそうした列のどこかに入り込むのだろうか。いずれわかる。

イメージクレジット: TOSHIFUMI KITAMURA / Contributor / Getty Images

原文へ 翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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