こんな文章を書くことがあるとは思っていなかったが、前アメリカ司法長官のEric HolderがAirbnbに加わり、民泊プラットフォーム上の差別と戦おうとしている。
Airbnb CEOのBrian Cheskyは、今回の人事について本日(米国時間7月20日)のブログポストで発表し、そこには差別根絶に向けたその他の同社の取り組みについても記載されていた。Airbnbは、LGBT(編集部注:性的マイノリティを指す。Lesbian, Gay, Bisexual and Transgenderの略)や有色人種のゲストに対する差別を黙認していたことから最近やり玉にあげられている。ハーバード大学の調査によれば、黒人系の名前のゲストは宿泊予約をとれないことが多く、さらに黒人のホストは白人に比べて、プラットフォーム上で家を貸し出して受け取る収益が少ないことがわかった。LGBTのゲストも同様にAirbnb上での差別に直面しており、安心してサービスが利用できるよう、サイト上に「LGBTフレンドリー」のオプションを求める動きもある。
連邦議会黒人幹部会(The Congressional Black Caucus)は、先月Cheskyに対してこの問題に取り組むよう求めるとともに、なぜサイト上にここまで差別が蔓延しているのかと問い詰めた。Airbnbはきちんと耳を傾けているようで、Holderをアドバイザーとして迎える他にも、アメリカ自由人権協会(American Civil Liberties Union)元会員のLaura MurphyにAirbnbのバイアス解析を依頼した。発表自体は本日行われたが、HolderとMurphyは既にAirbnbでの仕事を開始している。
「私たちは、前アメリカ司法長官のEric Holderがチームに加わって、世界に通用する差別禁止ポリシー策定のサポートをすることに合意したことを大変誇りに思っています」とCheskyはブログポストにつづった。「Airbnbには既に差別を禁止するポリシーがありますが、それをもっと強固なものにしたいと考えています。今後は、私たちのプラットフォームを利用する全ての人が、差別禁止のポリシーを読んでそれに従うと認めなければならないようにします」(現在、ホストは登録前に差別禁止ポリシーを読む必要がなく、自分たちでポリシーを探さないと読むことができない)
Cheskyはさらに、これまでAirbnb上の差別への取り組みがあるべきスピードで行われていなかったことを認めた。「これまでは、この分野での取り組みに失敗してしまったと理解しています」とCheskyは述べ、なぜAirbnbの差別問題への取り組みが遅れてしまったかについて長らく考えていたと加えた。「プラットフォームをつくったときには、差別問題を十分に意識できていませんでした。利用者の方々と話をする中で、私たちの差別問題への取り組みに緊急性が時折欠けていたことが分かり、すぐに是正する必要があると思っています」
もちろんHolderは、多様性や差別禁止のイニシアティブに精通しており、これまで司法長官としての仕事のかたわら、数々の再建策を指揮してきている。過去には、司法省の差別申し立ての項目に性別認識を加える活動を行っていた。
「私は、Airbnbと共に世界的な差別禁止ポリシーの策定・実施を行うのを楽しみにしています」とHolderは声明の中で語った。「Airbnbは、誰であっても、どんな見た目をしていても、全ての人が所属できるようなコミュニティを創ることに献身的に取り組んでいます。多様性の受け入れにコミットしているAirbnbと同じ気持ちを持っている企業にとってモデルとなるようなポリシーを策定すべく、私は是非Airbnbをサポートしていきたいです」
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)