Airbnbなら1泊181ドル(約2万円)でアイルランドのゴールウェイにあるお城に泊まれます。
お城のプライベートルームに多くの人が注目し、予約を集めているという。こんな楽しい情報とともに、Airbnbが創業以来12年の成長の軌跡を示すさまざまな数字を公開した。
最も注目すべき数字は、Airbnbに登録されている600万の家、移動式の住居、ツリーハウス、ボートなどの利用者が、5億人を超えたというものだ。
Airbnbの積極的な拡大戦略からすれば、5億人を超えたことに驚きはない。310億ドル(約3兆4千万円)の価値があるとされている同社は先日、およそ4億6,500万ドル(約500億円)の価値があるとされているHotelTonightを買収すると発表した。
Airbnbの長期的なゴールは、ホームシェアリング、ホテルの予約、出張の手配、体験などエンド・ツー・エンドの旅行全般にわたるプラットフォームを構築することだ。直前の宿泊を手配できるモバイルアプリのHotelTonightを買収したことで、ピア・ツー・ピアのレンタル市場の支配が加速する。最も欲張りなユニコーンであるAirbnbは、Crunchbase Newsによるとインドのホテルのスタートアップ、Oyoの株式購入も検討しているという。
分析プラットフォームのSecond Measureによれば、Airbnbは急速に既存のホテルビジネスを追い抜いている。2016年以降、Airbnbの売上は3倍に達したが、一方で大手ホテルチェーンの成長は11パーセントにとどまっている。Airbnbの年間売上はIHGとヒルトンを上回り、マリオットをも超えようとしている。マリオットといえば2016年にスターウッドホテルを買収して以来、業界を支配してきた存在だ。
2019年か2020年のIPOを検討していると言われるAirbnbにとって、こうした数字はすべて幸先の良いものだ。同社はこれまでに、Andreessen HorowitzやSequoia Capitalなどのベンチャーキャピタル投資家からの借入金とエクイティファンドで合わせて44億ドル(約4800億円)を調達している。 Airbnbは1月に、EBITDA(税引前利益に特別損益、支払利息、減価償却費を加えた利益)ベースで2年連続で黒字になったと発表していた。
利用者が5億人の節目を迎えたことに加え、Airbnbのプラットフォームを利用してスペースを提供しているホストの報酬の合計が650億ドル(約7兆円)に達したことも発表された。Airbnbのプラットホームで利用できる部屋数も152パーセント増えているという。利用者の地理的分布も、利用する目的地も広がっている。
そしてホストの年齢も幅広くなっていて、米国ではシニア層が急成長している。一方、ここ3年間で予約をした利用者の70パーセントは40歳未満だ。世界中のミレニアル世代がAirbnbで310億ドル(約3兆4千億円)の旅行を予約している。
現在Airbnbはピア・ツー・ピアのレンタル市場を支配しているが、Expediaは子会社のHomeAwayとBookings Holdingsを通じてBookings.com、Kayak、Pricelineが健闘しているためシェアを獲得しつつある。Airbnbが現在の成長スピードを維持するのは難しいかもしれない。
Image Credits:Airbnb
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(翻訳:Kaori Koyama)