Amazonが公式にKindle Unlimitedの開始をアナウンスした。電子書籍およびオーディオブックの「食べ放題」サービスだ。
これはまさに「書籍版Netflix」といったサービスで、KindleおよびKindleの動作するデバイスにて60万点にものぼる電子ブックや、あるいはAudibleのオーディオブックを楽しむことができる。
さまざまなベストセラー作品が対象に含まれていて、Diary of a Wimpy Kidシリーズやハンガー・ゲーム三部作、フラッシュ・ボーイズなども読むことができる。
また『灯台へ』や『猫のゆりかご』といった古典作品や、Kindleオンリーで提供されるさまざまな作品群もサービスの対象となっている。
オーディオブック化されているものについては、読んでいる位置を同期しながら文字と音声を切り替えて楽しむことができるのも大きな魅力だ。
何冊でもライブラリに加えることができるようになっていて、Amazonのサイトでは「Read for Free」という新しいボタンが表示される。著者との間でのロイヤリティの割り振りなどについての情報はまだ入っていない。
これはビデオ見放題のサービスであるAmazon Prime Videoとも似たところのあるサービスだ。有名なベストセラー作品も多く対象となってはいるが、対象作品となっているものの多くは、Unlimitedにて新たな読者開拓を狙う、ニッチな作品が多い。ただしメジャー出版社であるいわゆる「ビッグファイブ」も、いくつかベストセラーや有名作品をUnlimitedの対象作品として提供している。出版社との間での利益配分がどうなっているのかにも興味がわくところだ。Unlimitedサービスには多くの人が登録するものと思われ、出版社としてもそれなりの利益配分を求めているはずだ。
ちなみにOysterなどにとっては悪夢のような出来事と言って良いかもしれない。Amazonのような業界リーダーが読み放題サービスに参入することで、小規模な競合サービスなど蹴散らされてしまうことが予想される。そうしたある意味での「問題点」はともかく、たとえばインディーライターとの関わりを考えても、Unlimitedサービスは大いに注目に値するだろう。
訳注:英文オリジナル記事の方には、プレスリリース文書も添付されています。
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(翻訳:Maeda, H)