Amazonが開発者たちに機械学習を教えるために、縮小版自動運転車を発表

Amazonは本日(米国時間11月28日)、開発者が機械学習を学ぶのを助けることを目的とした、完全に自律的な1/18スケールのレースカーAWS DeepRacerを発表した。定価は399ドルだが、現在は249ドルで提供されている。このレースカーは、強化学習(RL:Reinforcement learning)と呼ばれる機械学習技術を、開発者が文字通りハンズオンで学習できるようにする。

RLは、他の機械学習手法とは違った訓練モデルへのアプローチを取っている、とAmazonは説明している

それは、インタラクティブな環境内で「エージェント」が試行錯誤的に行動することが許されている場合に機能する機械学習の一種である。実行したアクションからのフィードバックを使用して、あらかじめ決められた目標に達したり、またはスコアまたは報酬などを最大限にするために、時間をかけて学習を行う。

これによって、他の機械学習技法との違いが生まれる。例えば教師あり学習に比べると、開始に当たってラベル付きのトレーニングデータを必要とせず、長期ゴールを最適化しつつ短期意思決定を行うことができる。

新しいレースカーは、自動運転を通じた学習で、開発者にRLを実験させる。

開発者はまず、AWS RoboMaker上に構築されたクラウドベースの3Dレーシングシミュレータ内で、仮想自動車とコースの利用を始める。ここでは、自動運転モデルを、シミュレータ内で事前に定義されたレースコースに対して訓練することができる。そしてそのモデルを仮想的に評価したり、実世界の物理的なAWS DeepRacerカーにダウンロードしたりすることができる。

彼らはまた、車が発表されたre:Invent会議で開催される、最初のAWS DeepRacer Leagueへ参加することもできる。このイベントはAWS DeepRacerワークショップとMGM Speedwayで24時間に渡って行われ、Amazon SageMakerAWS RoboMaker、およびその他のAWSサービスが利用される。

6つのメイントラックがあり、それぞれにピットエリア、ハッカーガレージ、トレーニングや実験に使用できる2つの拡張トラックが追加されている。DJもいる。

このリーグは、今回のイベント終了後も、世界中のAWS Global Summitで、2019年以降に始まる一連のライブレースイベントとして継続される。Amazonによれば、re:invent 2019におけるAWS DeepRacer 2019 Championship Cupでの優勝を目指して、仮想トーナメントがこれから1年を通して実施される。

車のハードウェア自体は、インテルAtomプロセッサを搭載した1/18スケールのラジコン式四輪駆動車である。プロセッサでは、Ubuntu 16.04 LTS、ROS(ロボットオペレーティングシステム)、そしてIntel OpenVinoコンピュータビジョンツールキットが実行される。

車には、1080pの解像度を持つ4メガピクセルのカメラ、802.11ac Wi-Fi、複数のUSBポート、持続時間約2時間のバッテリ電源も含まれている。

ハードウェアはAmazonのここから購入することができる。

AWS re:Invent 2018カバレッジ

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(翻訳:sako)